2018年11月18日(日)

韓国、南北経済協力に苦慮 目光らす米国
南北会談、財閥トップに同行要請も企業側に戸惑い

北朝鮮
トランプ政権
南北首脳会談
朝鮮半島
2018/9/14 18:30
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【ソウル=恩地洋介】18日からの南北首脳会談を控え、韓国政府が南北経済協力をどう打ち出すか苦慮している。サムスンなど四大財閥のトップに平壌への同行を要請し、14日には南北共同連絡事務所も開設した。北朝鮮は鉄道整備などの実行をせかすが、経済制裁が続く中での実質協力は不可能だ。北朝鮮の非核化が進展しない限り「成果」の演出にも限界がある。

14日、開設式が開かれた南北共同連絡事務所(北朝鮮の開城)=AP

南北は14日に板門店で開いた実務協議で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が空路で平壌入りする方針を確認。金正恩(キム・ジョンウン)委員長との首脳会談の一部を生中継することでも合意した。具体的な日程や訪問団の規模など詳細はまだ明らかになっていない。

韓国大統領府は14日までにサムスン、現代自動車、SK、LGの四大財閥に、文大統領の平壌訪問にトップを同行させるよう要請した。主要財閥は2000年と07年の南北首脳会談にも同行している。

韓国政府はあくまで北朝鮮側に南北融和への本気度を示す「象徴」の役割を期待している。ただ今回は少し事情が異なり、企業側には戸惑いがある。北朝鮮は国連安全保障理事会の厳しい制裁下にあり、仮に経済協力に加担したとみなされれば、自社が制裁対象になる恐れがあるからだ。

14日には4月の板門店宣言に盛り込まれた南北共同連絡事務所が北朝鮮側の開城に開設された。同日の開所式で韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相は「南北当局者と専門家がここで鉄道や道路など多様な協力を議論することを願う」と強調。北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長は「板門店宣言の履行を加速していく」と述べた。

式典後には早速、会議が開かれ、所長である韓国統一省次官と北朝鮮の祖国平和統一委副委員長が出席した。今後は週に1回程度、定例会議を開く。

北朝鮮の非核化が進展しない中、米国はかねて経済協力に前のめりな韓国をけん制してきた。もっとも韓国も、北朝鮮の圧力と米国の目に配慮せざるをえない難しい立場だ。文大統領は13日の大統領府の会議で「制裁の枠の中でもどかしさはあるが、与えられた条件の範囲で最善を尽くす」と語った。

文大統領は首脳会談で、金委員長に核廃棄の具体化を示すよう求める構え。トランプ米大統領にはその翌週の訪米時に、相応する措置として朝鮮戦争の終戦宣言に踏み切るよう促すとみられる。文大統領にとってインフラ整備などを伴う南北経済協力は行き詰まる韓国経済の切り札だが、その前に米朝協議の仲介という難題をこなす必要がある。

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