2019年8月21日(水)

樽材、おしゃれな椅子に サントリーとカリモク組む

2018/9/14 0:00
保存
共有
印刷
その他

サントリーホールディングスと家具大手、カリモク家具(愛知県東浦町)は、ウイスキーの樽(たる)材を使ったソファ「Kチェア」を28日に発売する。1962年から生産され、すでにカフェなどでは定番のKチェアだが、樽材の再利用で環境保全意識の強い若者層の取り込みを狙う。全国で年間150台の販売を見込む。

「樽ものがたり」ブランドの「Kチェア」の手すりや脚にはウイスキーの染みなど、樽材だったことを示す痕跡がある

樽材を使用した「Kチェア」は工場で手作業で作られている(愛知県東浦町)

■高級木材、あえてウイスキーの染み残す

サントリーのウイスキー樽は「ホワイトオーク」と呼ばれる高級木材を使っている。長期熟成に耐えるよう年輪に対して垂直に切り出し、木目が美しくゆがみが少ない。サントリーは70年代から研究を重ね、曲がった木材を真っすぐに戻す技術で特許を持つ。

「手すりだけで4本の樽材をぜいたくに使った」。ソファ・椅子の主力製造拠点、東浦カリモクの早川雅博・管理部部長は胸を張る。肘掛け木材には、ウイスキーの染みやくぎの痕が残る。「ウイスキーを熟成してきた樽材ならではの風合いは残してほしい」と取引先から要望があり、あえて残したという。

今回コラボレーションしたKチェアはシンプルなデザインが特長。02年に立ち上げたカリモク家具の独自ブランド「カリモク60(ロクマル)」の主力商品として、カフェブームにも乗り定着してきた。同ブランドの売上高の6割を占め、年間販売は1万台を超える。

■環境への意識高い若年層にアピール狙う

ただ、20代など若年層の取り込みが課題になっている。カリモク家具の山田郁二常務は「発売当時のファン層は30代になり、家族を持ちダイニングテーブルを買うようになった」と話す。Kチェアの販売台数は17年度は前年度比12%減った。

「20代など若年層は環境に配慮した商品を高く評価する」。18年3月にあった、サントリーとカリモク家具との定期的な商品開発・販促の検討会議でこのようなデータが示された。樽材の原価は通常の木材に比べて4~5倍とされるが、山田常務は「樽材の再利用をアピールすることで20代を開拓する切り札になる」と着目した。

サントリーの樽材再生品シリーズ「樽ものがたり」にはソファやキャビネットなど約150点の商品があるが、08年からはカリモク家具とのコラボによるダイニングテーブルや椅子、ソファが人気になっている。

「樽ものがたり」ブランドのKチェアは、1人掛け7万3000円(税抜き)、2人掛け10万6500円(同)。国内や韓国の「カリモク60」特約店約20店舗で販売を始める。将来的には約100店で販売する。

(広沢まゆみ)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。