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ブラジル代表、ネイマール主将は是か非か
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2018/9/15 6:30
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 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、ブラジルは準々決勝で敗退して国民を落胆させた。しかし、ブラジルサッカー連盟はチチ監督のチームづくりの方向性を評価し、監督と2022年W杯まで契約を延長。9月上旬、ブラジルはW杯ロシア大会後最初の強化試合(2連戦)に臨むべく、米国へ遠征した。

22年W杯へ「チームの顔」に

 7日にニュージャージーで国際サッカー連盟(FIFA)ランキング22位の米国と対戦する前日の記者会見で、チチ監督は重要な発表を行った。それまで採用してきた選手が主将を持ち回りで務める制度を廃止し、今後はすべての試合でネイマール(パリ・サンジェルマン)に任せることを明らかにしたのである。その理由として、「彼の人間的な成熟」を挙げた。同席したネイマールは「セレソン(代表)の主将を務めるのは大きな喜びであり名誉」とうれしそうだった。

チチ監督は代表の全試合でネイマールに主将を任せることを決めた=AP

チチ監督は代表の全試合でネイマールに主将を任せることを決めた=AP

 14年W杯準決勝でドイツに歴史的な大敗を喫した後、監督に就任したドゥンガ氏が主将に選んだのがネイマールだった。輝かしい才能を持ち、明るく屈託のない22歳を前面に押し立て、代表を取り巻いていた沈鬱なムードを振り払おうとしたのである。当初の強化試合では対戦相手との力の差が大きく、ブラジルは順調に勝利を重ねた。しかし、15年末に18年W杯南米予選が始まるとネイマールは厳しいマークを受けて調子を落とし、チームも勝てなくなった。

 16年6月にドゥンガ監督が解任され、チチ氏が後任に就任。試合ごとに主将を代える制度を導入することで、事実上、ネイマールからキャプテンマークを取り上げた。精神的な重圧が軽減されてネイマールのプレーの内容が向上し、同時に複数の主力選手にリーダーとしての自覚が芽生えた。チームは上昇機運に乗り、南米予選を圧倒的な強さで突破。W杯ロシア大会の有力な優勝候補に挙げられた。

 ところが、ネイマールは2月末に骨折した右足首が大会までに完治せず、弱気になってファウルを欲しがる姿が「シミュレーション」と糾弾された。彼のいら立ちがチームメートに伝染してチーム全体がおかしくなり、危機的な状況で強力なリーダーシップを発揮する選手も現れず、ベルギーに敗れた。14年の捲土(けんど)重来を期しながら18年も世界の頂点に立つことができなかった。さらに4年後の栄冠を目指す状況で、チチ監督は「チームの顔」としてネイマールを選んだのである。

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