2018年11月20日(火)

訪日客買い物支援アプリのペイク、10億円調達

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九州・沖縄
2018/9/12 19:00
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訪日外国人向け買い物支援アプリを提供するPayke(ペイク、沖縄県那覇市、古田奎輔社長)は12日、ベンチャーキャピタル(VC)などを引受先とする第三者割当増資で総額約10億円を調達したと発表した。調達資金は企業向けビジネスの強化に向けた人材採用や広告宣伝、小売店舗に提供するタブレット端末の量産費用に充てる。

ペイクはバーコードをスキャンすると多言語で商品情報が表示されるアプリを提供する

米資産運用大手フィデリティ系のエイトローズベンチャーズジャパン、SBIインベストメント、沖縄振興開発金融公庫、SMBCベンチャーキャピタル、市場調査を手がけるインテージグループが運営するファンドの5社が増資を引き受けた。累計の調達額は12億2000万円となる。沖縄のスタートアップで10億円規模の大型調達の事例は珍しい。

ペイクは2014年の設立。社名と同名のスマートフォン(スマホ)アプリ「Payke」は商品についているバーコードをスキャンすると、商品に関する様々な情報を利用者の母国語に合わせて表示する。英語、中国語、韓国語など7カ国語に対応し、アプリのダウンロード数は2018年8月時点で約70万に達する。利用者の95%以上が外国人で、東京や大阪、沖縄や北海道などの訪日観光客が多い地域の店舗でよく使われている。

「外国人が日本で買い物する際に商品名を日本語で検索するのは難しい。検索に頼らなくても情報を得られる手段をつくりたかった」。古田社長は同社を創業した背景をこう説明する。最近ではQRコードを使いスマホで決済するサービスは増えているが、世界共通のバーコードを使い、商品を買う前に詳しい商品情報を把握できるサービスは珍しい。

利用者は無料でアプリを使える。ペイクはメーカー向けに商品情報を自社で追加し特徴や魅力を伝えられるシステムを提供し収入を得る。日本の化粧品や家電商品などは訪日客に人気があり、情報を充実させると店舗での購買率を高められる可能性があることから、現在は約1200社が利用する。訪日客が商品を手に取った段階でアプリでスキャンするため、購買前の消費行動を探る手がかりになる。

訪日客は手持ちのスマホにペイクのアプリを導入して使うが、アプリを入れていない客でも店頭で商品情報を見れるよう、専用のタブレットを小売店に貸し出している。これまでに1000台を生産し、約130店舗に導入した。訪日客に対応できる人材の確保が難しい店舗が人件費節約やインバウンド対応強化に活用している。ペイクは今回の調達資金で万台単位に生産量を増やし、全国各地の店舗に導入を拡大する計画だ。

現在25歳の古田社長は東京都出身で沖縄の大学に入学。大学1年生の途中で起業した。最初は貿易関係の仕事をしていたが、「商品だけでは売れない」と考え、消費者向けに商品情報を提供するペイクを立ち上げた。現在の従業員数は約30人で、今後は開発や営業人材の採用を進める。アジアを中心にアプリの利用者を増やすため、海外でのマーケティングも強化する考えだ。

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