2018年9月21日(金)

トランプ政権、影響回避に苦心 内幕本が発売
強硬姿勢に拍車も

トランプ政権
北米
2018/9/12 19:30
保存
共有
印刷
その他

 【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権の内実を描いた著名ジャーナリストの本が11日に全米で発売され、ホワイトハウスの機能不全ぶりが改めて浮き彫りになった。トランプ大統領は11月の中間選挙に向けて政権への打撃を食い止めるため、成果のアピールに苦心する。政権の混乱を覆い隠そうと、政策面で一段と強硬な姿勢に傾斜する可能性もある。

 11日、ホワイトハウスの大統領執務室。「今はそんなことを話すべきではないだろう」。トランプ氏は13日にも米東海岸に上陸する可能性のある大型ハリケーンへの対策を話し合う会議で記者団から内幕本について問われ、こう語った。「緊急事態への対処はとてもうまくいっている」と強調し、万全の対応を期す構えを示した。

 大型災害への対処を誤れば、政権の命取りとなりかねない。そう警戒するトランプ氏は13日に予定していた中西部ミズーリ州での集会の中止も決めた。ただ、コーン前国家経済会議(NEC)委員長らが本の内容に否定的な声明を出したことには「本がフィクションであることを示すものだ」と歓迎してみせた。

 本の著者は「ウォーターゲート事件」を暴いてニクソン政権を退陣に追い込んだボブ・ウッドワード氏。トランプ政権の内幕を描いた本は1月に別の著者が出版した例もあるが、ウッドワード氏の手による著書のインパクトは計り知れない。

 暴走を防ごうと周辺が大統領の命令を無視し、その意に反した施策を実行する――。ウッドワード氏が描いたホワイトハウスはトランプ氏の大統領としての資質に改めて疑問を投げかけ、政権運営の危うい現実を浮き彫りにした。5日に明らかになった匿名の政権高官による米紙への寄稿もそれを助長している。

 直近の世論調査によると、トランプ氏の支持率は8つの調査で軒並み下落。とりわけ42%から36%に下がったCNN、40%から36%になった米紙ワシントン・ポストなどリベラル系メディアでの下落が目立つ。キニピアック大の調査では65%が大統領に良識がないと回答し、トランプ氏の大統領としての資質への疑念が改めて強まっている。

 トランプ氏は疑心暗鬼を強めている。ウッドワード氏の本は、マティス国防長官やケリー首席補佐官がトランプ氏の意向に沿わず行動していたと指摘した。両氏はそれを否定しているが、トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏は11日、ABCテレビに「大統領が信頼できる人物が少なくなってしまった」と嘆いた。匿名高官による内部告発があってからはその傾向が顕著だという。

 11月の中間選挙が迫る中で、政権は打撃を最小限にしようと懸命になっている。10日のサンダース大統領報道官の会見には、大統領経済諮問委員会(CEA)のハセット委員長が登場。中小企業経営者らの景況感が好転していることなどをチャート図を用いて説明し、好調な経済を訴えた。選挙が迫れば、トランプ氏が内政・外交問わず成果を示そうと一段の強硬論に傾く恐れもある。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報