2018年9月21日(金)

極秘の金正恩氏暗殺訓練も トランプ政権の内幕本発売
ホワイトハウスの混乱描く

トランプ政権
北米
2018/9/12 6:03
保存
共有
印刷
その他

 【ワシントン=永沢毅】著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏がトランプ米政権の内幕を描いた「恐怖 ホワイトハウスのトランプ」が11日、全米で発売された。事前に伝わった内容でホワイトハウスの混乱ぶりを描いているとして出版前から話題を呼んでいるが、トランプ大統領は自身への「攻撃だ」と反発を強めている。

 内容はトランプ氏の奔放な言動と、それを何とか制御しようと苦心する周辺の動きが軸だ。例えば、2017年8月にトランプ氏は北米自由貿易協定(NAFTA)や世界貿易機関(WTO)、米韓FTAからの離脱を画策。マティス国防長官やコーン前国家経済会議(NEC)委員長ら政権幹部が大統領執務室に駆け込み、その悪影響を説明して必死で引き留めたという。

 側近同士の抗争の記述も多い。あるときバノン前首席戦略官が、イバンカ大統領補佐官に対しトランプ氏の長女という立場を利用して大きな態度をとっていると非難。「おまえは単なる職員に過ぎないだろう!」と罵声を浴びせると、イバンカ氏は「私はスタッフじゃない。大統領の娘よ!」と応酬したとされる。

 トランプ氏の看板政策である貿易赤字の是正を巡っては、通商政策を担う強硬派のナバロ大統領補佐官と現実主義派のコーン委員長が対立。赤字を問題視しないコーン氏が「99.9999%のエコノミストは私と同じ考えだ」と主張すると、ナバロ氏は「ウォール街エリートの愚か者め」と反発した。

 政権が北朝鮮の核問題への対処に苦心している様子もうかがえる。北朝鮮の指導層への限定攻撃のオプションが取り沙汰されるなかで、17年10月には米空軍が中西部ミズーリ州で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長を暗殺する訓練を極秘に実施していたことを明かした。北朝鮮と地形の特徴が類似しているとの理由で、ミズーリ州の高原が選ばれたという。ただ、この訓練では爆撃機などからの交信が周辺の住民に漏れる事態がおきたとされる。

 本の著者は1970年代にニクソン政権を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」をスクープしたことで知られるボブ・ウッドワード氏。トランプ氏は不満を強めており、10日にはツイッターで「匿名の情報源による私への攻撃だ。ホワイトハウスは円滑に運営されている」と改めて批判した。

 ただ、ウッドワード氏は11日、米紙ニューヨーク・タイムズに「枢要な政権高官から私に連絡があった。『書かれている内容が真実だということを私たちはみな分かっている。1000%正しい』ということだった」と自信を示した。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報