2018年9月23日(日)

世界の原発発電、30年に10%以上減少も IAEA報告

ヨーロッパ
2018/9/12 2:11
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 【ジュネーブ=細川倫太郎】国際原子力機関(IAEA)は世界の原子力発電所の発電容量が2030年までに10%以上減る可能性があるとの予測をまとめた。老朽化による原子炉の廃炉や再生可能エネルギーの普及などが理由で、IAEAは「原子力産業は競争力の低下に直面している」と指摘した。

ドイツは「脱原発」を進めている=ロイター

ドイツは「脱原発」を進めている=ロイター

 IAEAが公表した原子力発電の展望に関する報告書によると、17年に392ギガワットだった発電容量は、最も低く見積もった場合で30年に352ギガワットまで減少すると予測。総発電量に占める原子力発電の割合は50年に2.8%と、17年(5.7%)のほぼ半分に下がる。

 11年の福島第1原発事故などを受け、ドイツやスイスは脱原発を段階的に進める方針を決めた。報告書によると、30年ごろから北米や欧州を中心に世界で相当な数の原発の廃炉が予定されている。日本でも耐用年数を超えた原発の廃炉作業が今後増える見通しだ。

 IAEAは原発の安全規制強化が建設期間の長期化やコストの増大を招いているとも指摘。風力や太陽光など再生可能エネルギーの普及、液化天然ガス(LNG)の需要拡大も逆風になっている。

 世界のエネルギー消費は年率1%で増えていく見通し。IAEAの天野之弥事務局長は「原子力発電の潜在力をフルに活用するための進展がなければ、十分なエネルギーを確保するのが難しくなる」と警鐘を鳴らす。

 一方、アジアの新興国では原発への関心が高いと言及。特に中国やインドでは莫大な電力を必要としており、温暖化ガス削減と両立するため原発の新設計画が相次ぐ。IAEAは先行き見通しについて最も大きく見積もった場合、原子力発電の発電容量は30年に511ギガワットに拡大するとみている。

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