2018年9月19日(水)

台風21号直撃時 大阪都心の昼間人口6割減
位置情報解析 計画運休が定着

台風21号
社会
2018/9/12 6:00
保存
共有
印刷
その他

 台風21号が近畿地方を直撃した4日、大阪市中心部の昼間人口が6割減っていたことが11日、分かった。鉄道各社は事前に運転見合わせを予告する「計画運休」を実施。結果として260万人以上の利用者が影響を受けたが、企業側も社員の出社を控えさせるなどの対応をとったとみられる。自然災害が相次ぐ中、早期対応の手段として広がりつつある実態が浮かび上がった。(小安司馬、加藤彰介)

 ソフトバンクグループでデータ分析などを手がけるアグープ(東京・渋谷)が携帯電話の位置情報を基にまとめた。JR大阪駅を中心とした3キロ四方のエリアで、4日午前10時から約5時間と、1週間前の8月28日の同時間帯の滞在者数を比べた。

 集計によると、4日の昼間人口は8月28日に比べて61%減った。JR大阪駅や阪急梅田駅などターミナル駅のほか、大阪市役所やオフィスが立ち並ぶ京阪電鉄淀屋橋駅周辺などで人口の減少が顕著だった。

 2015年国勢調査に基づく大阪市の推計によると、集計エリアの大半を占める北区の昼間人口は約41万人。仮に今回の分析結果を当てはめると、約25万人減ったことになる。

 台風21号は帰宅時間帯の夜に影響拡大が見込まれた8月下旬の20号と異なり、昼間の接近が予測された。JR西日本や一部私鉄が上陸前日の3日に計画運休を予告したのを受け、臨時休業や在宅勤務などで社員の出社をやめさせる企業が目立った。

強い風を受けながら、傘を差して歩く人たち(4日、大阪市中央区)

強い風を受けながら、傘を差して歩く人たち(4日、大阪市中央区)

 大和ハウス工業は3日午後1時ごろから、大阪・梅田の本社など関西の拠点で働く社員約3千人に休むよう指示。代わりに週末の8日を出社日とした。担当者は「和歌山方面など遠方の社員を中心に、出社や帰宅が難しくなりそうだった。前日に運休が分かったので、大きな混乱を防げた」と振り返る。

 小林製薬(大阪市中央区)も3日夕、社内の連絡サイトで大阪府内の本社や研究所に勤務する約1500人の自宅待機を指示。急ぎの仕事がある社員は在宅勤務で対応した。担当者は「計画運休が定着してきたことで営業先の理解も深まり、予定の調整もスムーズになった」としている。

鉄道停止、268万人影響

 台風21号を巡り、近畿の鉄道はJR西日本など3社が計画運休に踏み切った。4日朝から一部区間で運転を止めたり列車の本数を減らしたりし、同日昼すぎからは地下鉄を除く全在来線が一時的にストップ。各社が推計した影響人員は計268万人に上った。

 南海電気鉄道と京阪電気鉄道は初めての計画運休だった。南海は「鉄道施設への大きな被害が想定された」、京阪は「利用客からも『列車が止まるなら早く知りたい』との声があった」と理由を説明する。

 一方、近畿日本鉄道は台風20号が上陸した際に行った計画運休を見送り、運行停止の可能性を情報発信するにとどめた。担当者は「上陸の予測が昼間だった21号では、安全が確認できれば運行再開を見込めると判断した」としている。

 JR西は京阪神地区で、2014年10月に列島を縦断した台風19号以来となる全在来線の運休を予告。担当者は「早めの周知で予定を立て直すことなどに役立ててほしかった。狙いは定着してきたのではないか」と話している。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報