2018年11月16日(金)

英中銀総裁、20年1月末へ退任延期 EU離脱に対応

Brexit
ヨーロッパ
2018/9/11 22:27
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【ロンドン=篠崎健太】英中央銀行イングランド銀行は11日、カーニー総裁が退任を2020年1月末に延期すると発表した。予定していた19年6月末から7カ月延ばす。英国が19年3月末に欧州連合(EU)から離脱するのにあたり、金融政策や市場監督を担う中銀のトップとして、当面の対応に万全を期す。退任延期の決定は16年に続いて2度目となる。

カーニー氏はハモンド財務相に宛てた11日付の書簡で「この重大な時期に、あらゆる人が円滑なEU離脱に向けてできることをするのが重要だ」と強調した。そのうえで「EU離脱とイングランド銀行の効果的な(次期体制への)移行を支えるため、できることは何でもする」と記し、退任の延期を受け入れると正式に表明した。

英国とEUの離脱交渉は、陸続きのアイルランドとの国境をどう扱うかなどで溝が埋まらず、離脱まで7カ月を切っても難航。合意に至らないままEU単一市場から締め出される「無秩序離脱」の懸念もくすぶる。英政府は市場の混乱のような不測の事態に備えるため、金融政策のかじ取りを担うカーニー氏に退任延期を求めていた。

ハモンド財務相は11日の英議会で退任延期を報告し「英経済が揺れ動く可能性がある19年夏の早い時期を越えて(中銀の)継続性を確保できる」と説明した。続投を正式に要請したカーニー氏宛ての書簡では、英国のEU離脱を巡る条件や将来関係を確定させた上で、19年秋に後任を指名できる意義も訴えていた。

カナダ出身でカナダ銀行(中央銀行)総裁だったカーニー氏は13年7月、英中銀初の外国籍を持つ総裁として就任した。任期は最長8年間だが、家庭の事情から当初は18年6月末までの5年間を条件に引き受けた。その後、16年にEU離脱が決まったことを受け、円滑な移行に貢献するとして退任期日を19年6月末へ1年先送りしていた。

英政府は併せて、18年10月末で任期が切れるカンリフ副総裁(金融安定担当)の再任も決めた。任期は5年で、23年10月末まで職務を続ける。

英中銀はEU離脱決定後の16年8月、経済への悪影響を防ぐ緊急措置として利下げや量的金融緩和策の拡大を断行した。現在は利上げに転じ、金融政策の正常化へ歩み始めている。カーニー氏は世界の金融当局者で構成する金融安定理事会(FSB)の議長も務め、国際金融界の人脈が豊富で市場からの信任も厚い。EU離脱に直面する英経済の安定維持への手腕がさらに問われる。

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