2018年11月20日(火)

米朝首脳、年内再会談を模索 仕切り直しへトップ外交 米政権に慎重論も

トランプ政権
米朝首脳会談
朝鮮半島
北米
2018/9/11 22:20
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【ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介】トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が早ければ年内の再会談を探り始めた。11月の中間選挙を控えて非核化の進展を「実績」として誇示したいトランプ氏と、朝鮮戦争の終戦宣言から体制保証への道筋を早くつけたい金正恩氏。双方の思惑が重なって再会談に動き出した形だが、トランプ政権は8月下旬に北朝鮮との高官協議を中止したばかりで、方針のぶれには危うさも漂っている。

サンダース大統領報道官は10日の記者会見で、金正恩氏からトランプ氏にあてた書簡で2回目の首脳会談の要請があったことを明かした。「私たちは前向きだ」として開催に向けた調整に入ったと表明した。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は同日、年内の会談実現もあり得るとの見方を示した。

トランプ氏は8月下旬、ポンペオ国務長官の4回目の訪朝を「非核化に十分な進展がみられない」として中止を命じたばかり。サンダース氏はトランプ氏の方針転換の理由の一つとして、9日の平壌での軍事パレードが抑制的だったことをあげたが、それは後付けにすぎない。

匿名高官による政権批判の米紙への寄稿や、11日発売の著名ジャーナリストによる政権の内幕本といった「内部告発」により、トランプ氏の置かれている状況は厳しさを増す。政権にとって審判となる中間選挙を前に、少しでも「実績」を示したいとの焦りがある。

ただ、米政権内には非核化の具体的な取り組みを進めない北朝鮮への懐疑論がくすぶる。かといって米朝首脳会談の「失敗」を認めるわけにもいかない。トランプ氏に金正恩氏の提案は渡りに船で、直談判で非核化の取り組みを働きかけて膠着打開を演出する算段だ。

一方、北朝鮮指導部は7月のポンペオ氏訪朝後からトランプ氏との再会談を探り始めた。ポンペオ氏は期待に反して非核化措置の先行を要求し、高官協議は不調に終わった。北朝鮮側はポンペオ氏の強硬姿勢を「米国内の政治闘争の影響」と分析し、膠着打開の道をトップ外交に求めた。

金正恩氏は5日に会談した韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長に「トランプ大統領への信頼は変わらない」と伝え、トランプ氏の任期が終わる2021年1月までの非核化期限にまで言及した。しかし、核廃棄の手順や方法には触れなかった。「朝米が敵対関係を清算し、関係を改善しながら」との条件も付けており、「段階的非核化」という基本姿勢に変化はない。

北朝鮮は「終戦宣言が先」との立場に固執している。韓国を仲介役として米朝再会談への道筋を付ける手法は、6月の会談前と同じだ。9月18~20日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領を平壌に招き、文氏はその翌週にニューヨークへ飛びトランプ氏と会談する。韓国の外交筋は、米朝首脳会談の開催時期について「南北米は、米中間選挙前の10月を念頭においている」と指摘する。

ただ、トランプ氏の中間選挙を有利に運ぶことを意識した北朝鮮との接触には、今後の米朝交渉が北朝鮮ペースに陥る危険も潜んでいる。

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