2018年11月14日(水)

ロシア、1.9%の低成長 4~6月
米国の制裁重荷、停滞長引く恐れ

ヨーロッパ
2018/9/11 19:30
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【ウラジオストク=小川知世】ロシア連邦統計局が10日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率(速報値)は1.9%にとどまった。可処分所得が伸びず、消費が低迷した。米国による制裁や新興国通貨安への懸念から海外への資金流出が止まらず、ロシア中央銀行は主要政策金利の引き上げを示唆。制裁が重荷となり、消費や投資の低迷が長引く懸念が強まっている。

6月に開幕したサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会の関連消費などの押し上げ効果がありながらも、1~3月期の1.3%に続く1%台の低成長にとどまった。

先行きも明るくない。8月には米国が新たな対ロ制裁を打ち出し、通貨ルーブルは対ドルで一時約2年半ぶりの安値水準となった。制裁がロシア国営銀行との取引制限に及ぶことへの警戒や、トルコの通貨リラの急落に端を発した新興国通貨売りがルーブル安に拍車をかけた。

資金流出も拡大。ロシア中央銀行によると、1~6月の資本流出は約170億ドル(約1兆9000億円)で、前年同期から20%膨らんだ。

ロシア中央銀行は2018年の通年の成長率を1.5~2.0%と予測する。経済発展省や国営銀行ズベルバンクは相次いで成長率の予測を1.9%から1.7~1.8%に下方修正した。

政府が警戒するのは通貨安によるインフレの進行だ。19年には日本の消費税に当たる付加価値税(VAT)の引き上げも控えており、消費低迷に追い打ちをかける可能性がある。ロシア中銀は8月下旬にルーブル売りと外貨購入を9月末まで見合わせると発表。ルーブル下落の阻止に動いた。

ロシア中銀のナビウリナ総裁は4日、主要政策金利の引き上げを14日に予定している政策決定会合で検討する可能性に言及した。中銀はインフレ率が2%台にとどまった17年に利下げを繰り返し、主要金利を年7.25%まで引き下げたが、今年4月にトランプ米政権が新たな対ロ制裁を発表してからは金利を据え置いていた。

ロシアでは米欧による経済制裁が長期化し、外国企業からの投資や最新技術の導入が進まない状態が続いている。利上げにより国内の設備投資などがさらに鈍ることも懸念されている。

ロシア経済は労働人口の減少をはじめとした構造問題を抱え、制裁が始まる前の13年から停滞感が強まっていた。プーチン政権が着手した年金受給年齢の引き上げなどにも反発が出ている。9日に開かれた抗議集会では800人以上が拘束され、経済停滞に対する国民の不満も強まっている。

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