経済界、中国の構造改革を要望 デジタル経済で日中協力確認
【北京=石橋茉莉】経団連の中西宏明会長が参加する経済界の訪中団は11日、中国の国家発展改革委員会幹部と面会し、中国の過剰生産問題などを話し合った。団長の宗岡正二新日鉄住金会長は「供給サイド改革を評価する」と述べ、鉄鋼以外の分野でも中国がさらに構造改革に取り組むよう求めた。デジタル経済の推進に向けて日中間で協力を加速する意見も出た。
中国の鉄鋼の過剰生産問題や知的財産権の侵害といった構造問題は米中貿易戦争を激化させる要因の1つとなった。設備過剰を解消する改革について日本側は一定の評価を示した。国家発展改革委幹部は「過剰生産能力の削減で利益率が上がった。中国は供給改革や構造調整を行い安定的に発展的な情勢だ」とこたえた。
日中間の経済協力の推進も議論した。経団連の中西氏は「日本経済界はイノベーション(技術革新)分野を有望と考えている」と述べた。特にデジタル技術を活用した金融サービスの開発などを巡る言及が相次いだ。林信秀みずほ銀行会長は「中国はデジタルエコノミー分野でめざましい成長が見受けられる」とし、両国の技術をそれぞれ生かして金融分野などで新たなビジネスモデルを模索したいと呼びかけた。
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