2018年9月22日(土)

3万人以上が避難 シリア北西部イドリブ、アサド政権などの空爆で

中東・アフリカ
2018/9/11 19:00
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 【カイロ=飛田雅則】国連人道問題調整事務所(OCHA)は10日、シリアの反体制派最後の拠点である北西部イドリブ県で3万人以上が避難生活を強いられていると発表した。先週からアサド政権軍やロシア軍が同県への空爆や砲撃を強めている。地上軍による総攻撃が始まれば、人道危機が一層深刻になる恐れがある。

ローコック国連事務次長は10日、シリアのアサド政権による北西部イドリブ県への攻撃が人道危機を引き起こすとの懸念を表明(ジュネーブ)=ロイター

 ロイター通信が伝えた。ローコック国連事務次長(人道問題担当)兼緊急援助調整官は「21世紀で最悪の人道上の大惨事を引き起こすリスクがある」と警告した。イドリブ県やその周辺には、アサド政権軍との戦闘で各地から敗走してきた反体制派の戦闘員に加え、一般住民が300万人いるとされる。

 アサド政権やその後ろ盾のロシア軍やイラン系の民兵は、反体制派の「最後のとりで」とされる同県への総攻撃の準備に着手。先週から空爆や砲撃を続けている。政権側がイドリブ奪還を果たせば、2011年から続く内戦の勝利に近づくことになる。

 シリア内戦の当事者であるロシア、トルコ、イランは7日、テヘランで首脳会議を開催。ロシアのプーチン大統領は「政権側は全土を統治する権利がある」と武装勢力に対する攻撃の正当性を主張し、イランも同調した。これに対しトルコは自制を要求。協議は平行線のまま終わった。

 その後、政権軍やロシア軍はイドリブ県南部とハマ県北部などで空爆や迫撃砲による攻撃を強化。シリア人権監視団(英国)によると、9日朝までの48時間で、少なくとも一般住民22人が死亡。ロイター通信によると、反体制派はロシアなどの空爆で病院や防衛拠点が攻撃を受けたと主張しているもようだ。今後、総攻撃が始まれば、逃げ場を失った多くの人が犠牲となる恐れがある。

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