2018年11月14日(水)

プーチン氏、中国接近の打算(The Economist)

中国・台湾
ヨーロッパ
The Economist
(2/3ページ)
2018/9/12 2:00
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ロ中関係の雪解けが始まったのは、ソ連のゴルバチョフ書記長(当時)が北京を訪問した1989年からだ。90年代には、エリツィン大統領(当時)がその友好姿勢を引き継いだ。そしてプーチン氏が2004年、中国との間の最後の国境問題を終結させた。だが、こうした動きに米国やその同盟国が気をもむことはなかった。ロシアは沈みゆく大国であり、ロシアは中国を警戒しているのだと考えていたことが一因だ。ロ中の関係改善は自分たちに対抗するのが狙いではなかったという点もある。ところが、事態は変わった。

ロシアは14年にクリミア半島を併合し、それにより欧米から制裁を受けると、欧米に対抗するための政治的な同盟国として、中国に目を向けるようになった。欧米に代わり自国に投融資をしてくれる存在を求めていたこともある。当の中国は、さほどロシアへの投資意欲はない上、ロシアのウクライナへの軍事介入は無謀だとみている。だが中国は、ロシアと欧米の間に生じた亀裂を自国の影響力拡大に生かそうと、最大限活用してきた。加えて、プーチン氏と習氏は、自国でも「色の革命(大衆による民主化運動)」が起きるのではないかとの共通の恐れから、個人的な結びつきを感じている。2人はそうした反乱や動きは米国がけしかけているという認識だ。中ロは、民衆による反乱を抑えるための治安部隊の合同訓練も実施している。

■プーチンが発する2つのメッセージ

中国人民解放軍ロケット軍の元司令官であり、今春、習氏が昇格させた数人の忠誠派に数えられる魏鳳和国防相は4月にモスクワを訪問した際、米国に対しこんな明確なメッセージを送った。「中国側は、中ロ両軍の緊密な関係を米国に示すために来た」

米中央情報局(CIA)の元情報分析官であり、現在はシンクタンクの米戦略国際問題研究所(CSIS)に所属するクリストファー・ジョンソン氏によると、米国はこうした動きを特には気にしていないようだ。ロ中という隣接した超大国は、互いに信用していないため、接近しすぎることはありえないとの通説を今も信じ込んでいるからだという。だが、同氏は「最近までボストークの仮想敵国は確かに中国だったが、今は別の大国が仮想敵とされ、中国がえりすぐりの部隊をロシアとの軍事演習に送り込んでいる」と指摘する。

カーネギー国際平和財団モスクワセンターのアジアの専門家アレクサンドル・ガブエフ氏によると、ロシアの視点に立って見ると、プーチン氏の行動には2つのメッセージが込められているという。

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