国立感染症研究所は11日、今年の風疹の患者数が2日までの集計で362人になったと発表した。既に昨年1年間の4倍近くに達し、依然として東京都や千葉県など首都圏での感染が目立っている。
2日までの1週間の報告数は75人。内訳は東京都が28人、千葉県が11人、神奈川県が8人、愛知県が7人、茨城県と埼玉県が5人などだった。前週の報告数の97人から減少したが、引き続き高い水準だ。
風疹はくしゃみやせきで感染する。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんが難聴や心臓病、白内障になるリスクがあり、妊婦や家族は特に注意が必要だ。潜伏期間は2~3週間。感染力が強く、予防にはワクチン接種が有効だが、妊婦は胎児への影響の恐れがあるため接種できない。
2013年には国内で感染者が1万人を超える大流行が起きた。その後、減少傾向だったが、今年7月以降、首都圏を中心に流行し、感染が拡大している。〔共同〕