2018年11月18日(日)

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セリーナの背を追った大坂、「新女王」期待高まる

2018/9/10 21:39
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全米オープンテニスの女子シングルスを制した大坂なおみ(右)。決勝の相手は憧れのセリーナ・ウィリアムズ(左)だった=共同

全米オープンテニスの女子シングルスを制した大坂なおみ(右)。決勝の相手は憧れのセリーナ・ウィリアムズ(左)だった=共同

【ニューヨーク=原真子】テニスの全米オープン女子シングルスは、8日の決勝で20歳の大坂なおみ(日清食品)が産休明けの女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)を破って幕を閉じた。四大大会シングルスで男女を通じて日本勢初のタイトルを獲得した大坂は、世界ランクも初のトップ10入りとなる7位に上昇。「次代の女王」をめぐる競争に堂々名乗りを上げた。

本来なら今年の全米は、セリーナのための大会になるはずだった。

全米初出場から20年、勝てば四大大会史上最多タイの24勝、オープン化以降最年長36歳349日での優勝、母親になってからの四大大会女王返り咲き。そういうストーリーを期待されていた。「町中に広告が出ていたし、セリーナが今大会をどんなに勝ちたいか、みんな知っていたと思う」と語る大坂なおみ(20、日清食品)も、その空気を感じ取っていた。

それらの期待を大坂は、自分の手で破壊した。パワフルなストロークにサーブ、しなやかな身ごなし、そして若さ。ファーストサーブは強烈かつ精度を伴い、ラリーで左右に振り回す。決勝の姿は、女王セリーナをバージョンアップさせたようだった。

セリーナが負けるのは凡ミスを連発して自滅するパターンで、力負けはほとんどない。大坂の勝ち方は衝撃的だった。

2年前に本格的にツアーに参戦した頃から、大坂は「いつか四大大会を勝つ」と言われた逸材だ。ハイチ出身の父レオナルドさんが、ビーナス、セリーナのウィリアムズ姉妹の成功に自分の娘たちの未来を重ね、テニス選手として鍛えたのが物語の始まりだった。

自分がテニスを始めるきっかけとなったセリーナへの敬慕を公言しつづけた20歳が、そのアイドルを倒して王冠をかぶる。後に、世代交代の分岐点と言われる決勝となったのかもしれない。

ただし、王冠をかぶり続けるのは並大抵のことではない。セリーナが2017年全豪優勝を最後に産休に入って以降、四大大会女王の顔ぶれは毎回異なる。いずれも優勝後、一度失速している。セリーナも1999年全米を制した後、次の四大大会優勝は02年全仏までかかった。

四大大会優勝者は勝利だけでなく、ツアーで回る世界各地でイベント協力などを求められ、今までなじみのない類のプレッシャーもかかる。「シャイ」で「社交的でない」と自らを評する大坂自身がその扱いに慣れるまで時間がかかるかもしれない。

一方でその個性は、はた目にはたくまざるユーモアと天然の魅力にあふれたものに映る。すでに海外メディアの人気を集め、スター性も十分。日本人にとって手の届かないものだった「四大大会優勝者」という肩書と、若い大坂がこの先どんなふうにつき合うのか。ゆっくりと見守りたい。

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