2018年11月15日(木)

育て 大空を支える人材(熱撮西風)

関西
九州・沖縄
2018/9/10 20:05 (2018/9/12 2:00更新)
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台風21号で大きな被害を受けた関西国際空港。早期の全面復旧が急務だ。関西へ航空機で訪れる外国人旅行客は2017年に700万人を超え、今後も増加が予想される。政府は「2030年に訪日客6千万人」を目指すが、「空の人手不足」が壁となる。国や企業は操縦士や管制官、整備士の育成と確保に力を注ぐ。

「Runway 36 cleared for takeoff(滑走路36からの離陸支障ありません)」。管制塔からの景色を再現した映像の前で、航空保安大学校の研修生が離陸許可を出す。

シミュレーターの実習で航空機に指示を出す研修生。常に目と耳で状況を確認、安全確認を怠らない

シミュレーターの実習で航空機に指示を出す研修生。常に目と耳で状況を確認、安全確認を怠らない

2016年に導入した新型シミュレーターを使った実習の一コマだ。これまでの360度モニター1台から、実際の管制に必要な視野角210度の4台に更新。一度に多くの人数が実習できるようにした。

国土交通省の交通政策白書では、25年ごろに現行の管制処理能力を超えると予想する。昨年度から年間80人の定員も120人に増やした。

航空保安大学校の入学式。8カ月の研修期間の後、全国の空港などに配属される(4月、大阪府泉佐野市)

航空保安大学校の入学式。8カ月の研修期間の後、全国の空港などに配属される(4月、大阪府泉佐野市)

操縦士や整備士の不足も懸念される。国際民間航空機関(ICAO)の予測では、アジア・太平洋地域で30年には10年に比べて操縦士が約4.6倍の23万人ほど、整備士も約3.6倍の29万人ほど必要になる。

北九州市のスターフライヤーは2012年から操縦士の訓練を自社設備で行っている。実機同様に前後左右に傾くシミュレーターで機長への昇格を目指し訓練を重ねる。それまでは他社や海外の設備を借りていた。10月の国際定期便への4年半ぶりの再参入に備える。

コックピットから見える景色が瞬時に夜や雨天に切り替わり、機体も左右に大きく動く(北九州市)

コックピットから見える景色が瞬時に夜や雨天に切り替わり、機体も左右に大きく動く(北九州市)

関西国際空港を拠点とする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは現在の21機から2020年度には50機以上での運航を目指しており、整備士の育成にも力を入れる。一等航空整備士の資格を取るためには4年以上の実務経験が必要だ。先輩と組んで技術を磨く。整備責任者は「事業拡大に合わせて人員を確保していく」と話す。

実機の整備ではチームワークも必要(関西国際空港)

実機の整備ではチームワークも必要(関西国際空港)

マニュアルを確認しながら、先輩と一緒に機体を整備する(関西国際空港)

マニュアルを確認しながら、先輩と一緒に機体を整備する(関西国際空港)

(大阪写真部 淡嶋健人、山本博文、目良友樹)

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