2018年11月17日(土)

関空の旅客便まだ2割弱 台風1週間、復旧は遠く

台風21号
サービス・食品
関西
2018/9/10 19:45 (2018/9/10 21:25更新)
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台風21号の直撃で関西国際空港が閉鎖して11日で1週間。一部で運航を再開したものの、旅客便数は通常の2割弱にとどまる。浸水被害を受けた第1ターミナルやA滑走路は週内をめどに一部再開を目指しているが、空港までの鉄道が再開するのは10月上旬となり、本格復旧には程遠い。

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運航を再開した旅客便は格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションと春秋航空、全日本空輸、日本航空の4社。10日は旅客便が72便を運航したが、17年度の1日平均約460便の2割にも届かない。

多くの航空会社が再開できない原因は浸水被害を受けた第1ターミナルの復旧の遅れにある。国土交通省近畿地方整備局は10日、関空の排水作業が終了したと発表。浸水がようやく、ほぼ解消された。

現在、浸水で停電した地下の変電施設の復旧作業を急いでおり、手荷物搬送システムなどの動作を確認中のほか、様々な設備の点検などに追われる。第1の週内めどの一部再開でも「当初は50%稼働も難しい」(関西エアポート幹部)としており、復旧には時間がかかりそうだ。

貨物地区の再開は見通しがつかない。米フェデックスのみ8日から国際貨物便を再開。A滑走路の閉鎖に加え、関空と対岸を結ぶ連絡橋でトラック輸送が制限。関空全体の発着数の週約280便には遠く及ばない。企業も対応に追われ、シャープは電子デバイスの輸出やスマートフォンの輸入について他空港への振り替え輸送を始めた。

関空は外国人の入国者数が成田空港に次ぐ国内第2位で、西の玄関口の役割を担う。17年度の総旅客数は2880万人と過去最高を更新。インバウンド(訪日外国人)をけん引してきた海外のLCCもほぼ運航できず、東南アジアや欧米路線もどこも、再開していない。

現在、運航数を増やす足かせは、空港へのアクセスだ。関空と市街地を結ぶ唯一の連絡橋は、タンカーの衝突で損傷を受けた部分以外の道路ではほぼ通常通り、通行が可能。だが、鉄道などの復旧まで1カ月程度かかるとみられる。

シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市)によると、17年のインバウンド消費の経済効果は、16年比2割増の約8000億円と関西の域内総生産の1%を占める。関空が1カ月閉鎖した場合の経済損失を500億~600億円と試算している。

今後、懸念されるのは、風評被害の拡大だ。関空から香港へと帰路に就いた外国人からは「大変な思いをしたので次行くなら東京かな」との声も漏れた。空港機能が復旧しても、すぐにインバウンドの波も回復するかは未知数だ。

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