2018年9月20日(木)

カンボジア当局、旧最大野党の幹部を保釈
フン・セン政権、独裁批判に一定の配慮か

東南アジア
2018/9/10 18:11
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 【ハノイ=富山篤】カンボジア当局は10日、国家転覆を企てたとして2017年9月に逮捕した旧最大野党、カンボジア救国党(CNRP)の党首だったケム・ソカ氏を保釈した。救国党は7月の総選挙(下院選)前に解散。総選挙ではフン・セン首相の与党カンボジア人民党(CPP)が定数125の下院の全議席を得た。独裁傾向を強めるフン・セン氏へ国内の一部や欧米から批判が高まっており、一定の配慮をみせた可能性はある。

 ケム・ソカ氏は首都プノンペンの自宅に戻ったもようだ。だがカンボジア政府の報道担当は同氏が「裁判所の監視下に置かれる」とロイター通信に述べ、事実上の軟禁に移されたと認めた。ケム・ソカ氏の娘は「父は高血糖だ」と明かし、同氏の健康不安を示唆した。

 ケム・ソカ氏の前に救国党党首だったサム・レンシー氏は「ケム・ソカ氏の保釈だけでは不十分。救国党が参加する選挙が不可欠だ」と、滞在先のカナダで主張した。

 救国党は13年の総選挙、17年の地方選挙で躍進。危機感を強めたフン・セン政権はケム・ソカ氏の身柄を拘束し、同党を解散に追い込んだ。

 7月の下院選には20の政党が参加したが、人民党のほかは弱小政党ばかり。人民党は全議席を獲得した。人民党は上院の全議席も占め、議会両院は野党不在となった。

 国連主導の選挙が始まった1993年以降、カンボジアの民主化は進んだが、一気に後退した。欧米は批判を強め、米国はカンボジア政府要人の個人資産凍結を含む経済制裁を発動した。欧州連合(EU)もカンボジアが無税でEUに製品を輸出できる特権の撤廃をちらつかせる。しかし、フン・セン氏は中国を後ろ盾にして、対抗していく構えだ。

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