2018年9月21日(金)

首相「戦後外交を総決算」 石破氏「官邸の信頼回復必要」 自民総裁選、論戦本格化

自民党総裁選
経済
政治
2018/9/11 1:14
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 自民党総裁選は10日、安倍晋三首相(総裁)と石破茂元幹事長による論戦の火ぶたが切られた。首相は6年近いこれまでの「実績」を強調して続投を強くアピール。石破氏は地方創生に多くの時間を割き、地方票での巻き返しに懸命だ。

 首相はまず「森友学園」「加計学園」の問題を念頭に「私は至らない人間だ。批判を真摯に受け止めながら、改めるべき点はしっかり改め、謙虚に丁寧に政権運営を行いたい」と低姿勢で頭を下げた。

 石破氏は「首相官邸の信頼回復をしないと政府がやる大改革に国民が共感しない」と訴え「政治・行政の信頼回復100日プラン」の実行を掲げた。内閣人事局制度が官僚機構の弊害をもたらす一因となっているとの指摘もあることから「官邸で本当に国家・国民のために働く官僚が登用されるシステムをつくらないといけない」と語った。

 外交については首相が「戦後日本外交の総決算をしていく」との決意を表明し「東アジアにはまだ冷戦時代の残滓(ざんし)がある」と述べ、残された課題に全力を挙げる意向を示した。これまでの実績に触れつつ、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題の解決や、日中関係の正常化、日ロ平和条約の締結などに取り組む考えを強調した。

 石破氏も日米同盟を外交の基軸とする考えを示し「米国にとっても日本は必要な国だ。それを認識しないといけない。防衛も地位協定も日本の国益を中心に考える」と語った。

 防災対策では主張が対立した。西日本豪雨や台風21号、北海道で震度7を観測した地震など自然災害が相次いでいることなどを踏まえ、石破氏は災害対策を専門的に担う防災省を新設し、専任閣僚を置くよう主張した。首相は災害時に活動する自衛隊、国土交通省、厚生労働省などの各組織は、同格の防災省が指示しても機能しないとし、「スピーディーに糾合できるのは、権限を持つ首相だけだ」と石破氏の構想を退けた。

 アベノミクスの成果を強調する首相は「正規雇用の有効求人倍率が1倍を超え、過去最高だ」と胸を張り、数字を挙げながら国内総生産(GDP)の拡大や税収の増加をアピールした。石破氏は「企業が収益を上げることと所得が増えることは別の問題だ」と主張。労働分配率の低下を指摘した上で「国民一人ひとりの所得を上げなければいけない」と訴えた。

 首相は自衛隊違憲論を封じるため憲法への自衛隊明記の必要性を訴えた。今秋に想定される臨時国会への自民党案の提出にも言及。「国民投票に付せば、急速に理解が進むことは十分ある」と説明し、次の任期の3年間で「チャレンジしたい」と主張した。

 石破氏は「長いこと国会答弁に立ってきたが自衛隊が違憲という議論は一度もなかった」と反論し、9条2項と自衛隊の存在を整理することが重要だとして、国民に理解を求める努力を訴えた。さらに「緊急性のあるもの、国民の理解が得られるものから先に(改正を)やっていく」と述べ、参院選の合区解消や緊急事態条項の創設のための改憲を優先する考えを示した。

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