2018年11月16日(金)

中国外相「パキスタンの債務膨張、一帯一路と無関係」

中国・台湾
南西ア・オセアニア
2018/9/10 0:30
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【ニューデリー=黒沼勇史】中国の王毅国務委員兼外相は7~9日、パキスタンを訪問し、カーン首相、クレシ外相と相次ぎ会談した。同国のインフラ整備を引き続き支援する考えを表明。パキスタンで増える対外債務については、中国の広域経済圏構想「一帯一路」とは「無関係」と強調し、国際社会の見方に真っ向から反論した。一方、中国がパキスタン財政を支援するかどうかについては明言を避けた。

中国の王毅外相(右)は9日、パキスタンのカーン首相(左)と会談した(イスラマバード)=パキスタン政府提供

7月の総選挙を経てカーン新政権が発足した8月以降で、中国の閣僚がパキスタンを訪れるのは今回の王外相が初めて。パキスタンは900億ドル(約10兆円)を超える対外債務を抱え、外貨不足にも直面しており、王外相が支援を表明するかが注目されていた。

首相府の声明によると、王外相は9日、カーン首相と会談し、一帯一路の一部で、パキスタンを縦断する総工費620億ドルのインフラ事業「中パ経済回廊(CPEC)」の重要性について「両国民の相互利益になる」と強調。カーン首相もCPEC事業の継続を約束したという。

8日のクレシ外相との会談後の共同記者会見で、王外相はパキスタンの対外債務について「CPECとは無関係だ」と主張した。債務の「47%は国際金融機関の融資だ。CPEC22事業のうち18事業は中国の直接投資か援助で、(政府間)融資は4事業のみだ」とも強調。CPECのための中国の融資が原因となりパキスタンが「債務のワナ」に陥ったとする国際社会の見方を退けた。

パキスタンの外貨準備高は8月末で98億ドルで、輸入の2カ月分という危機的水準だ。債務償還の増加や、経常収支赤字の拡大が原因で、2年弱で半減した。中央銀行によると貿易赤字の30%超が対中赤字で、現地紙は対外債務の43%超が中国からの融資と報じる。外貨準備高の積み増しに向け、カーン政権が中国や国際通貨基金(IMF)に支援を要請するとの観測が流れている。

王外相は8日の記者会見で「パキスタンは難題に直面しているが、それらは一時的なものだ」とする見方を示した。同国の対中貿易赤字の縮小に向け、製造業の育成に協力するとも表明した。

パキスタンの対外債務圧縮や外貨準備高の積み増しに中国が協力するかについては、一切の対外的な発言を控えたもよう。ただ「中国と米国は国際社会と共にパキスタンの新政権を支援すべきだと信じている」と述べており、IMFとの協調支援も視野に入れている可能性をうかがわせた。

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