2018年9月23日(日)

オバマ vs トランプ 米中間選挙へ異例の舌戦

トランプ政権
北米
2018/9/9 6:00
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 【ワシントン=永沢毅】オバマ前米大統領が7日、11月の中間選挙に向けて本格始動した。米議会での民主党の過半数奪還を後押しするため、これまでの沈黙を破ってトランプ大統領への批判を解禁。トランプ氏も対抗姿勢を打ち出した。新旧大統領が繰り広げる異例の舌戦は、米社会の分断を改めて浮き彫りにしている。

演説するオバマ前大統領(7日)=ロイター

演説するオバマ前大統領(7日)=ロイター

 オバマ氏が7日、全米行脚のキックオフの場所に選んだのは、地元シカゴのある中西部イリノイ州の大学だった。「トランプ氏は政治家があおってきた怒りや恐怖を利用している」「分断と憤怒と妄想の政治が、共和党を覆っている」。約1時間の多くを現政権への批判に費やし、中間選挙で民主党候補に投票するよう訴えた。

 オバマ氏は2017年1月の大統領退任後、政治的な発言を封印。講演などの公の場でトランプ氏の名前に触れることすら慎重に避けてきた。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、オバマ氏は退任後には目立った活動を控えていた前任のブッシュ(子)元大統領の例を参考にしていた。ただ、民主党支持者の間では、オバマ氏がいつ声を上げるのかに期待が高まっていた。

 中間選挙まで約2カ月になったのを見計らい、オバマ氏は最もインパクトのあるタイミングで政権批判にカジを切ったとみられる。もっとも、方針を転換したのは「権力の乱用や悪い政策に目を光らせ、健全な政治を取り戻す」(オバマ氏)ためというきれい事だけが理由ではない。

 トランプ氏はオバマ氏の代表的なレガシー(政治的遺産)といえる地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を決定。オバマ氏が進めた移民に寛容な政策も抜本的に改め、メキシコとの国境の壁の建設など移民排斥に動いている。

 「気候変動はいまここにある問題だ」「国境の壁ではテロの脅威を防げない」。オバマ氏が演説でこう声を張り上げたのも、自身の実績がトランプ氏の手によって次々にないがしろにされるのを座視できなかったからにほかならない。

演説するトランプ大統領(7日)=AP

演説するトランプ大統領(7日)=AP

 一方、トランプ氏もオバマ氏への対抗意識を隠さなかった。

 7日、中西部ノースダコタ州で開いた資金集めの集会では「(オバマ氏の演説を)みていたが、寝てしまった。眠るのにちょうど良かった」とうそぶいた。返す刀で「彼は製造業でこれ以上の雇用を生み出せないと言ったが、そんなことはない」と訴え、同州の主要産業である石炭などでの雇用増を自賛。「オバマの話を聞くよりも面白いだろ?」とも言い放った。

 オバマ氏は7日を皮切りに、8日にはカリフォルニア州で、13日にはオハイオ州でも民主党候補の応援演説に臨み、一段のテコ入れに動く。もっとも、一部の選挙区ではリベラル色の強いオバマ氏への反発も大きい。このため、共和党内には「オバマ氏が話せば話すほどいい」(同党のグラム上院議員)とオバマ氏の肩入れを歓迎する向きもある。

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