北海道で2割節電要請 経産相、停電はほぼ解消
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北海道で震度7を観測した地震で、世耕弘成経済産業相は8日夜、道内に平常時より2割の節電を呼びかける考えを示した。地震による停電はほぼ解消したが、週明けの電力需要増などに備え、これまで1割としていた目標を引き上げる。被災地では空路や鉄道の再開が進む一方、約2万6千戸が断水するなどインフラの復旧は途上だ。
節電目標の引き上げは老朽化した火力発電所の故障リスクなどを踏まえた。世耕経産相は記者団の取材に「土砂崩れなどで立ち入り困難な一部地域を除き、8日中に停電を解消させる予定だ」と説明。大規模停電の再発を防ぐため、万一の場合に計画停電を実施する方針も改めて示した。
北海道電力が需給見通しを踏まえて判断し、実施2日前には可能性を通知する。経産相は「9日と10日はない」とした。

道によると、地震による死者は35人、心肺停止は2人となった。なお3人の安否が不明で自衛隊などが捜索を急いだ。負傷者は648人で、230カ所の避難所に約4千人が身を寄せている。
9日にはJR北海道の特急列車とJR貨物の貨物列車がそれぞれ運行を一部再開するが、在来線は多くの区間で運休が続く。道内の高速道路は日高自動車道が大半の区間で通行止め。新千歳空港は通常運航に戻った。
安倍晋三首相は9日、被災地を訪問し、被害状況を視察する。