2018年9月21日(金)

太平洋クロマグロ、漁獲枠拡大見送り 資源保護を優先

経済
2018/9/7 18:40
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 太平洋クロマグロの資源管理策を議論する中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会が7日、閉幕した。日本が提案した15%の漁獲枠拡大は米国などの反対で見送りとなった。資源量は回復の兆しが見え始めたが、依然として低水準にとどまるため、資源保護を優先する意見が優勢となった。

日本が提案した15%の漁獲枠拡大は米国などの反対で見送りとなった

 太平洋クロマグロは日本や米国など26カ国・地域が参加するWCPFCが管理する。各国・地域には30キロ未満の小型魚と、30キロ以上の大型魚に分けて漁獲枠を配分。現在の日本の漁獲枠は小型が4007トン、大型が4882トンとなっている。

 日本は資源量が回復しているとして、各国に割り振られた漁獲枠をそれぞれ15%ずつ増やすことを提案していた。その年の漁獲量が漁獲枠に達しなければ、枠の5%を翌年に繰り越せる仕組みも求めていた。

 増枠は原則として全会一致の合意が必要となる。水産庁によると、増枠提案には韓国と台湾が賛成したが、米国やクック諸島などが「増枠は時期尚早」として反対した。

 一方、今回の北小委員会では資源状況に関するデータを精査し直すことを確認した。その結果を踏まえ、2019年に米国で開く北小委で再び増枠について協議する。

 太平洋クロマグロは乱獲などの影響で資源量が悪化した。マグロの資源量を評価する国際機関のまとめによると、太平洋クロマグロの親魚の資源量はピーク時の1961年に約16万8千トンあったが、2010年に約1万2千トンまで減少。16年に約2万1千トンまで増えたが、歴史的にみれば依然として低水準で回復は道半ばだ。

 WCPFCは24年までに親魚の資源量を約4万3千トンまで増やす目標を掲げる。ある交渉関係者は「資源量が回復し始めたなかで増枠すれば、回復のペースが遅くなる。結果として長期にわたり漁業者に負担を強いることになる」と指摘する。

 多くの漁業は天然資源に依存する。資源管理は漁業者に一定の負担が生じる一方、持続可能な漁業を実現するために避けては通れない。日本はWCPFCが決めた小型魚の漁獲枠を超過するなど「資源管理の体制がまだ十分でない」(交渉関係者)との声もある。増枠を実現するには国内での資源管理を徹底し、各国・地域の理解を得ることが欠かせない。

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