2018年9月21日(金)

トランプ政権、実績アピールに躍起 対外強硬姿勢も 中間選へ隠せぬ不安

トランプ政権
朝鮮半島
北米
2018/9/7 17:28
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 【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が11月の米議会中間選挙をにらみ、自国産業の保護に向けた対外的な強硬姿勢や自らの実績のアピールに躍起になっている。通商分野では第3弾となる追加の対中制裁関税を近く発動し、日本にも圧力を強める構えをみせる。北朝鮮の核問題でも進展を内外に誇示する。相次ぐ内部告発などを受けて政権に動揺が走るなかで、世論の目先を変えたい思惑も透ける。

トランプ氏は自らの実績を自賛し続けている(6日、米モンタナ州での演説)=ロイター

 「中国が望む取引をする準備はできていない」。トランプ氏は5日、米議員との会合で中国に妥協しない考えを重ねて強調した。「そう遠くないうちにすべて解決できるといい」とも述べ、中国から譲歩を引き出すことに自信を示した。

 通商問題の矛先は中国だけでなく同盟国にも向かっている。8月30日の米ブルームバーグ通信のインタビューでは巨額の対米貿易黒字を記録しているドイツを含めた欧州連合(EU)について「中国とほとんど変わらないくらい悪い。規模が小さいだけだ」と言明した。首脳間の蜜月を続けてきた日本に関しても6日、米紙のコラムニストに対米貿易黒字の削減を強く迫る考えを示した。

 自らの外交路線の自賛にも余念がない。6日のモンタナ州での演説では、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が2021年1月のトランプ氏の任期中に非核化をなし遂げたいと表明したことを「素晴らしい」と称賛。7月のロシアのプーチン大統領との首脳会談を「最もいい会談の一つだった」と誇った。

 執拗なまでの対外強硬姿勢や外交実績のアピールには、これまでの政権運営に審判が下される中間選挙を前にした不安が透けてみえる。選挙は投開票まで2カ月に迫り、米メディアでは野党・民主党が下院で過半数を奪還するとの見方が強まっている。

 こうした中、5日には現職の政権高官が、自らを厳しく批判する匿名の論文を米紙ニューヨーク・タイムズに投稿。政権幹部が「大統領に不適格」としてトランプ氏の解任の方法まで一時議論していたことがわかり、政権内に衝撃を広げた。

 4日には世界的に著名なジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が近く出版する新刊の中身が報じられた。新刊はマティス国防長官やケリー首席補佐官ら側近が大統領の指導者としての適格性を疑問視する言動をしていたと指摘した。

 トランプ氏周辺とロシアの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」の捜査も元側近が司法取引に応じるなど進展しており、終結の兆しはみえない。このまま逆風が続いて下院で民主党に過半数を握られれば、ロシアゲートなどを踏まえた自身に対する弾劾手続きも現実味を帯びてくる。

 マティス氏らは寄稿への関与や新刊本の内容を否定する声明を出した。ただ、米紙ワシントン・ポストによると疑心暗鬼に陥ったトランプ氏は周辺に「信用できるのは自分の子どもたちだけだ」などと漏らしているという。欧州など各国では「国内の動きに焦りを強めたトランプ氏はさらに強硬な対外姿勢を打ち出す」(ワシントンの西側外交筋)との警戒感も広がっている。

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