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バレー男子、20年東京五輪へ「存在感」示せるか

世界選手権 9日開幕

4年に一度行われるバレーボール男子の世界選手権が9日、イタリアとブルガリアで開幕する。2大会ぶりに出場する世界ランキング12位の日本は「ベスト8相当の成績」(中垣内祐一監督)と高い目標を掲げており、強化してきた速さのある攻撃と粘り強さがどこまで通用するかがポイントになる。2020年東京五輪で復活を遂げるためにも、世界に存在感をアピールする場としたい。

石川が攻撃力を発揮できるかがチームの浮沈を左右する=共同

エース石川が復帰

12年ロンドン、16年リオデジャネイロと続けて五輪出場を逃すなど近年は厳しい結果が続く日本だが、腰などを故障していたエース石川祐希(シエナ)が今大会で復帰。ベストメンバーを組めたのは好材料だろう。石川は約1年ぶりとなる代表の公式戦に向けて「非常にいいコンディションで臨める」と話しており、抜群の攻撃力が発揮できるかはチームの浮沈を左右する。

現在のチームでは従来の持ち場であるサイドはもちろん、バックアタックでの貢献も欠かせない。コート中央からの速さのあるクイックとバックアタックこそ、高さで劣る日本が世界の強豪に対抗するために磨いてきた攻撃パターンの一つだからだ。

エース不在で臨んだ今年5、6月のネーションズリーグではセンターからの攻撃が少なかったが、今大会ではトスの配分率を高める方針という。石川は7月末の親善試合で実戦に戻ったばかりで連係不足も心配されるが、本人は「セッターとも話していてコンビ面は問題ない。打数が集まると思うので、しっかり決めたい」と語る。中央大時代から現在までプレーするイタリアでの開催とあって、心身ともに充実した状態で臨んで躍進につなげたい。

初招集の18歳西田に期待

石川欠場の間に台頭してきた新戦力、西田有志(ジェイテクト)の存在も大きい。18歳のサウスポーは攻撃専門のオポジットとして今春に初招集されると、ネーションズリーグでは高い跳躍力から繰り出すスパイクとサーブで得点を量産。相手のレギュラー選手が複数欠場していたとはいえ、6月に11年ぶりにイタリアを破る原動力となった。

バックアタックも打てることから石川とともに多くのボールを託されそうだが、世界選手権ではこれまで以上に高いブロックがそろい、簡単にスパイクを打ち抜ける機会は多くない。自他ともに「状況の悪いときに点数につなげられていない」と認める通り、直近の試合でも厳しい体勢で強引に打ち抜くといった粗削りな面は課題だろう。

石川(後列右から2人目)や西田(前列左端)、主将の柳田(前列中央)らの活躍がカギ

「シンプルにぶつけすぎるのではなく、リバウンドを拾ってチャンスをつくる。言い方は悪いが、女子バレーのようにしつこく攻めるしかない」。現役時代に同じオポジットだった中垣内監督は合宿中、こんな表現で硬軟を織り交ぜるような工夫を攻撃陣に促してきたという。失点に直結するプレーを瞬時に回避しつつ、どれだけ粘ってチャンスボールを打てるかがカギになりそうだ。

「ベスト8相当の成績」残すには

大会には24チームが参加し、第1次ラウンドは6チームずつに分かれて総当たりする。日本は9日の開幕戦で地元イタリア(世界ランク4位)とぶつかった後、ドミニカ共和国(同38位)、スロベニア(同23位)、ベルギー(同15位)、アルゼンチン(同7位)と対戦。上位4チームが第2次ラウンドに進む。

特に開幕戦は日本にほとんどない屋外コートで行われるため、アウェーの雰囲気とともに選手にとってはいつも以上に試合の入り方が重要になりそう。さらにイタリアには西田がスパイクの打ち方などを参考にしているというスーパースター、ザイツェフも戻ってくる予定だ。「ものすごいスピードのサーブをミスなく打ち続けるのは脅威」(西田)というエースを乗せたら勝ち目はない。

チーム全員で正確なサーブレシーブを徹底しつつ、攻撃時には逆に石川や西田、主将の柳田将洋(クプルム・ルビン)、ミドルブロッカーの李博(東レ)らのサーブで相手を崩す。これによって相手攻撃時の選択肢を狭めるという「サーブを起点とする守備」(中垣内監督)を高い確率で実践し、接戦に持ち込みたい。

日本が目標とする「ベスト8相当の成績」達成には、全体で16チームが進む第2次ラウンドに残るだけでは不十分だ。全体で6チームが残る第3次ラウンドへの進出は逃したとしても、4チームに分かれて総当たりで戦う第2次ラウンドで1勝か2勝を挙げる必要がある。

大会前、チーム最年長の32歳で経験豊富な福沢達哉(パナソニック)は「世界に警戒されるようなバレーを展開したい」と強調していた。世界トップのブラジルやロシアのように、試合前から相手に緊張感を与えられるチームを理想としているのだろう。中垣内体制も2年目となり、チーム内には「やりたいバレーが構築されてきている」(柳田)という自信も生まれつつあるという。開催国枠で出場する20年東京五輪で高い目標を掲げるためにも、真剣勝負の場で少しでも爪痕を残したい。

(鱸正人)

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