2018年12月12日(水)

ロヒンギャ迫害、国際刑事裁「管轄権がある」

2018/9/7 8:41
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【ヤンゴン=新田裕一】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の予審裁判部は6日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題について「管轄権を行使できる」との判断を下した。迫害行為を指揮したとされているミャンマー国軍幹部に対し、ICCの検察局による捜査が始まる可能性が高まった。

8月、バングラデシュ南東部の難民キャンプで食料の配給に並ぶ人々=ロイター

ミャンマーはICCについて定めるローマ規程の非締約国だが、ロヒンギャ難民が逃れた隣国バングラデシュは加盟している。予審裁判部は、人道に対する罪の一つである「住民追放」は両国にまたがって生じる犯罪行為であると判断し、ICCに管轄権が認められると結論づけた。

ICCは戦争犯罪や人道に対する罪を犯した個人を裁く常設の国際法廷。国連安全保障理事会の決議がある場合を除き、管轄権は犯罪の発生地が加盟国のケースなどに限られている。

ICCで捜査や訴追を担当する検察官は「追放は国境を越えることで成立するため、避難先が加盟国なら管轄権が及ぶ」と主張し、予審裁判部に法的な判断を求めた。これに対し、ミャンマー政府は「国家主権にもとづき、自国で捜査すべき問題だ」との声明を出していた。

国連人権理事会が設置した国際調査団は8月下旬、国軍幹部の捜査と訴追を求める報告書を発表した。2017年8月に起きた衝突以降、バングラデシュに逃れた難民は約72万人。9月中旬に始まる国連総会でもミャンマーに非難が集中するのは避けられない情勢だ。

ICCの予審裁判部の裁判官は、住民追放に限らず「特定集団に対する迫害」などについても、同様に管轄権が認められる可能性があると指摘している。

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