2018年11月15日(木)

北海道地震、広域停電の被害拡大 インフラに打撃

北海道地震
北海道・東北
2018/9/6 23:35
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最大震度7の地震が6日午前、北海道を襲った。道内全域で大規模な停電が発生し、電力や交通機関などインフラ機能がストップした。全域の電力の完全復旧には少なくとも1週間かかる見通しだ。製紙や製鉄の生産停止など経済活動にも影響が出ている。台風21号に続き、相次ぐ自然災害は国内経済への波乱リスクとなりかねない。

国内で震度7の観測は2016年の熊本地震以来で6回目。気象庁は「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」と命名した。

北海道電力によると、停電は一時、道内全ての約295万戸に上り、1995年の阪神大震災の約260万戸を超える規模だった。電力会社のエリア全域での停電は初とみられる。

全域停電の要因は、震源近くにある石炭火力発電所の苫東厚真発電所(厚真町)の緊急停止で、道全域の電力需給バランスが崩れたことにある。電力はエリアの需要と供給の量が常に一致しなければ、大規模停電や発電機などの設備が損傷する可能性があり、設備の安全性の確保を目的に、発電所が相次ぎ停止した。

地震で発生した北海道厚真町の土砂崩れ。山のいたるところで土が露出している(6日午前)=共同

地震で発生した北海道厚真町の土砂崩れ。山のいたるところで土が露出している(6日午前)=共同

6日昼すぎから一部の発電所が稼働。電力復旧が進み、午後9時時点で約48万5千戸で停電が解消された。安倍晋三首相は6日夕、関係閣僚会議で、道内の送電について「7日朝までに全体の3分の1にあたる100万世帯を超える皆さんへの供給再開を目指す」との考えを示した。

北電は7日には通常の電力需要のピークの約7割を供給できる見通しを示し、北電の真弓明彦社長は「全面復旧には1週間程度はかかる」と話した。

停止中の泊原子力発電所(泊村)1~3号機は停電の影響で、使用済み核燃料などを貯蔵中のプールの冷却に必要な外部電源を喪失した。非常用電源が稼働し、外部電源は約9時間半後に復旧した。3基とも異常は無かった。

都市機能はマヒし、交通網が終日、混乱した。新千歳空港は6日、ターミナルビル内の天井の崩落などで閉鎖、全便が欠航した。施設への電力供給は回復しており、7日の営業再開に向け、準備を急ぐ。同空港の旅客数は年間約2300万人で、国内では5番目に利用が多い。

北海道新幹線の運行は7日午前も見合わせる。JRの在来線は6日の始発から全線で運転をやめており、再開のメドは立っていない。

北海道経済の総合力を示す道内総生産(2014年度)は18.5兆円で全国の4%を占める。停電などが長引けば、基幹産業の農業など1次産業のほか、製造業などにも打撃だ。

新日鉄住金の室蘭製鉄所(室蘭市)では高炉など主要設備を停止。自家発電では電気をすべて賄えず、生産を再開できない。製紙大手の王子ホールディングスは道内10以上の工場が停止したほか、出光興産も北海道製油所(苫小牧市)が緊急停止。タンクローリーにガソリンを充填できず、出荷も止まったままだ。

北海道は漁業・養殖業の国内生産額のシェアは2割と最大。影響が大きいのは、漁港での製氷機や冷凍設備が使えず、水揚げした魚介類を冷やせないことがある。地方銀行や信用金庫・信用組合の店舗のほか、郵便局やATMの多くが停電で稼働できない状況が続く。

地震は6日午前3時8分ごろ、北海道南西部の胆振地方を震源に発生した。震源の深さは約40キロ。マグニチュード(M)は6.7と推定される。

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