東京都は6日、中小企業振興に向けた中長期ビジョンの中間まとめ素案を公表した。経済のグローバル化やICT技術の進展、人口減など事業環境が大きく変わるなかで、今後10年間の振興策の方向性を示す狙い。重点的に支援すべき課題を創業・事業承継や地域経済活性化、労働力確保など6テーマに分類し、それぞれに必要な施策を盛り込んだ。
同日開いた「東京の中小企業振興を考える有識者会議」で示した。起業家教育に取り組むほか、アジアなど世界市場に進出する企業を後押しする考えを明示。女性経営者の課題や悩みを相談できる体制を整えるとの方針を示した。
大規模工場が都外へ転出しても、中小が生産を続けられるよう区市町村と連携して支援する。事業承継を親族間だけで進めるのは限界があるとして、M&A(合併・買収)の活用にも力を入れる方向だ。
素案は有識者会議での議論を踏まえて策定した。有識者の意見をさらに反映して中間まとめをつくる。パブリックコメント(意見公募)を経て2019年1月に完成させる。