2018年11月13日(火)

スーツやベビーカーも買わずに利用 定額制広がる

コラム(ビジネス)
サービス・食品
2018/9/8 6:30
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

一定の料金を支払って利用する「サブスクリプション(定額制)」サービスが増えている。音楽・動画配信に加え、最近はスーツや自転車など、新品の購入が当たり前だったものにも定額制サービスが登場。購入しなくても、手ごろな値段で別の製品に乗り換えられる。「モノを買わずに利用する」という消費意識の変化もあり、利用が広がっている。

手ごろな料金で毎月異なるスーツを楽しむことが可能に(AOKIの「suitsbox」)

手ごろな料金で毎月異なるスーツを楽しむことが可能に(AOKIの「suitsbox」)

紳士服大手のAOKIが4月に開始した「suitsbox」(スーツボックス)は月額料金の支払いでスーツを毎月送ってもらえるサービスだ。利用者はインターネットで自分のサイズやデザインの好みを入力。スタイリストが選んだスーツが配送されてくる。

「エコノミーコース」は月8424円でスーツとシャツ、ネクタイの1セットがレンタルできる。商品は毎月交換される仕組み。利用者から返送された製品はクリーニング後、別の利用者に配送する。責任者の永沼大輔氏によると、エコノミーコースで提供する製品1セット分を購入すると「7万~10万円かかる」といい、割安感が強い。

「スーツを買いに行く時間やお金、収納する場所が無い人は多い」と永沼氏は話す。2021年3月期に利用者数1万人の目標を掲げていたが、前倒しで達成できる見込みだという。

若い世代を中心にモノを持たないライフスタイルが広がる。定額制サービスは買わなくても、次々と新しい製品に乗り換えられる。新品を次々と買うよりも安く済むことが多いのも魅力だ。

家電製品などのレンタル事業を手掛けるレンティオ(東京・品川)は、5月に月額制の「ベビーカー乗り換え放題パック」を開始した。1カ月3000円で3万~6万円程度のベビーカーを利用できる。

子供の成長に合わせてベビーカーを交換できるのが特長。子供の首が据わっていないうちは安定性が高いモデルを利用し、その後は軽量で持ち運びやすいモデルに乗り換えるといった使い方ができる。三輪謙二朗社長は「毎月20件前後利用が増えている」と話す。

シェアサービスが定着しつつある自転車でも定額制サービスが登場している。ちゃりカンパニー(さいたま市)が17年11月に始めた「スニークルロングタイムシェア」は、定額制の自転車乗り放題サービスだ。

「レギュラープラン」の場合、月3480円で人気のスポーツバイクを利用できる。同じ自転車を90日間利用すれば他モデルに乗り換えられる。自転車は「15万~25万円程度の製品が多い」(同社の家本賢太郎社長)。高級自転車に乗れるとあって、利用件数は18年1月から7月までに5倍に増加。解約件数は「8月時点でゼロ」(同)だという。

 米アップルの「アップルミュージック」などの定額制サービスが定着した音楽配信市場も拡大を続けている。ICT総研(東京・千代田)の推計によると、2017年末時点の定額制音楽配信サービスの利用者は約1780万人。16年末と比べ25%増加した。
 最近はジャンルを特化した定額制聴き放題サービスも登場している。オトバンク(東京・文京)は3月から、本の内容を音源化した「オーディオブック」の配信サービス「オーディオブックドットジェイピー」で聴き放題プランを開始。月750円で、ビジネス書など約1万点を聴くことができる。
 人々の間で「所有から利用」という流れが強まるなか、今後も定額制サービスは幅広いジャンルに広がりを見せそうだ。
(商品部 落合修平)

[日経産業新聞 2018年9月7日付]

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