2018年9月24日(月)

電源設備水没で館内放送使えず 関西国際空港

台風21号
地域総合
関西
社会
2018/9/6 19:50
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 台風21号による高潮に見舞われた関西国際空港で、第1ターミナルビルの地下に6台ある電源設備のうち3台が水没していたことが6日、明らかになった。このうち1台が放送設備に電気を送っていたため館内放送が使えなくなり、被災状況が利用客に十分伝わらなかった。専門家は「混乱を招かないよう電源の浸水対策を徹底する必要がある」と指摘している。

 運営会社の関西エアポートによると、関空では第1ターミナルビルの地下1階の機械室に設置した6台の電源設備が電力会社から送電を受け、それぞれがターミナル内の異なる設備に送っている。台風21号の接近で4日、空港周囲では過去最大級の高潮が発生し、機械室にも海水が入り込んだ。その結果、6台のうち3台の電源設備が水没し、同日午後1時半ごろターミナルビルの一部が停電。館内放送用の設備に電気を送れなくなった。

 このころ、強風で流されたタンカーが空港と対岸を結ぶ連絡橋に衝突。滑走路が冠水したため同日午後3時には空港全体が閉鎖された。同社の災害担当チームはこうした状況を利用客らに伝える方法を検討したが有効策が見つからず、やむを得ず社員らが拡声器を手に知らせて回ったという。

 しかし、空港内にいた3千人を超える利用客には十分に伝わらず、携帯電話がつながりにくかったことも重なり、戸惑いが広がった。4日朝から空港で立ち往生した女子大学生(20)は「スマートフォンが接続できた夕方まで、空港周辺で何が起きているのか全く分からなかった」と話す。

 6日に記者会見した関西エアポートの山谷佳之社長は当時の対応について「館内放送を中心に情報を提供するシステムが崩れ、人の声に頼らざるを得なかった」と釈明。館内放送の代替手段について「用意しておくべきだった」と述べた。

 空港施設に詳しい日本大の轟朝幸教授(交通システム工学)によると、空港の電源設備は大型で、地下に設置されることが多い。轟教授は「空港の電源設備は、利用客の避難誘導や管制システムの維持のために非常に重要。津波や高潮に備え、設備がある区画の防水性を高める対策を急ぐべきだ」と指摘した。

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