2018年9月26日(水)

トランプ政権やまぬ内部告発 大統領交代にも言及

トランプ政権
北米
2018/9/6 18:17
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 【ワシントン=永沢毅】米政権内からトランプ大統領の最高指導者としての資質を疑問視する内部告発が相次いでいる。著名なジャーナリストによる政権の内幕本に続き、5日には米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が政権内でトランプ氏の解任の方法すら話し合われたと明かす匿名の現職高官の寄稿を掲載した。政権側は従来の元側近による内幕の暴露時よりも事態を深刻にとらえており「犯人捜し」に躍起になっている。

米トランプ政権をめぐる内幕本(ボブ・ウッドワード氏 著)=AP

米トランプ政権をめぐる内幕本(ボブ・ウッドワード氏 著)=AP

 「大統領の行動は米国にとって有害だ」「問題の根本は道徳観念がないことだ」。こう述べた現職高官の寄稿が政権関係者に衝撃を与えたのは、合法的な大統領の交代を可能とする憲法修正25条の発動を検討する向きがあったと明かしたためだ。

 修正25条第4節は副大統領と閣僚の過半数が「大統領が職務の権限と義務を遂行できない」と議会に申し立てをすれば、大統領を解任し、副大統領を大統領代理にできると定めている。ただ、大統領は不服申し立てができ、上下両院の3分の2が副大統領を大統領代理として認めなければ職務復帰が認められる。

ボブ・ウッドワード氏=AP

ボブ・ウッドワード氏=AP

 共和党議員の大半がトランプ氏を支持する現在の議会が大混乱になるのは必至で、この高官も「憲政上の危機を巻き起こしたい人間などいない」として見送られたことを明らかにした。「政権が何らかの形で終わるまで、政権を正しい方向に向かわせるため、自分たちにできることをしていく」とも表明した。

 折しも4日には著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が11日に発売する新刊の内容が報じられた。新刊はマティス国防長官がトランプ氏について「小学5、6年生の理解力しかない」と罵ったり、国益を損なわないようトランプ氏の指示を無視したりする様子を描いた。

 ウッドワード氏はウォーターゲート事件を巡る調査報道で当時のニクソン大統領を辞任に追い込んだ世界的に著名な記者。トランプ氏を巡る過去の暴露本の筆者とは社会的な信頼度が比較にならない。ウッドワード氏は約8カ月かけて複数の現職や元政権高官から協力を得て著書を完成させたとしている。

 多くの政権幹部が関わっているとみられる一連の内部告発に、トランプ氏は過去になく疑心暗鬼になっているようだ。トランプ氏は5日「反逆罪ではないか?」「ニューヨーク・タイムズはこの臆病者を直ちに差し出せ!」などとツイッターで怒りをあらわにした。

 ホワイトハウスでは複数の会合が中止となり、告発者の特定に向けた内部調査が始まった。サンダース大統領報道官は匿名の寄稿者を「ひきょう者」と呼び、辞任を促した。米CNNはこの匿名高官の可能性がある人物として、ペンス副大統領やマティス国防長官ら13人の名前を挙げた。

 政権運営への審判となる11月の中間選挙まで約2カ月のタイミングでの一連の内部告発は共和党には逆風となる。一方、野党・民主党は大統領の適格性に関する攻撃を強める方針だ。民主党のオバマ前政権で国務長官を務めたジョン・ケリー氏は5日のCNN番組で、一連の事態に「米国は真に構造的な危機に直面している」とトランプ氏を批判した。

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