2018年11月15日(木)

北海道の大規模土砂崩れ 地質・降雨が影響?
防災計画に課題

北海道地震
2018/9/6 18:09
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北海道厚真町や安平町で発生した土砂崩れは、広範囲にわたり山肌が露出するほどの大規模な被害をもたらした。現場は震源地に近く、砂岩や泥岩などで比較的新しく形成された軟らかい土壌から成る地質とみられ、長く続いた雨で地盤が緩くなっていたことも一因となった可能性がある。専門家は「岩盤上の表層が滑り落ちる『表層崩壊』が多発したのではないか」と指摘する。

内陸で発生した過去の直下型地震は、2004年の新潟県中越地震や08年の岩手・宮城内陸地震などがあり、広範囲にわたって多数の土砂崩れが発生した。今回、土砂崩れが起きた地域は台風21号の影響などがあり、8月以降に厚真町で計約230ミリ、安平町で計約300ミリの降水が観測されていた。

土木研究所雪崩・地すべり研究センターの秋山一弥上席研究員は「一般的に震度5弱以上の揺れで土砂崩れの危険性が高まる。映像で見る限り、砂岩や泥岩でできた軟らかい地質で、浅い表面が崩れる表層崩壊が起きた可能性がある」と指摘。長く続いた雨で地盤が緩くなっていた可能性も要因の一つとして挙げる。

産業技術総合研究所の石塚吉浩・火山活動研究グループ長も「火山灰が表層を覆い、その下は河川の堆積物で形成されている」として、強い揺れに加えて周辺のもろい地質構造が一因になったとみる。

土砂崩れで多数の行方不明者が出た厚真町の地域防災計画では、地滑りや土砂崩れの恐れがある19カ所の区域を災害危険区域図にまとめて住民に周知してきた。だが今回は町が指定した区域外でも土砂にのみ込まれ、同町担当者は「想定を超える規模の被害だ」と話す。

地震による土砂崩れで倒壊した家屋(6日午前、北海道厚真町)=共同

地震による土砂崩れで倒壊した家屋(6日午前、北海道厚真町)=共同

同町では03年の十勝沖地震で震度5強の揺れに襲われた際も、住宅や道路が破損するなどしたが、土砂崩れなどの土木被害は起きなかった。今回の被害状況を踏まえ、今後の検証が必要となる。

今後の余震や降雨などで新たな土砂崩れも予想される。気象庁の担当者は「山頂付近から急速に崩れ落ちるため、逃げる時間がない。事前の避難が重要だ」と警戒を促している。

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