2018年9月19日(水)

緩和修正、割れる政策論 片岡委員「追加緩和必要」

経済
2018/9/6 18:09
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 日銀の金融政策への投票権を持つ政策委員の意見が割れている。片岡剛士審議委員は6日、「物価の基調的な上昇力が弱まっている」とし、追加緩和の必要性を主張。日銀が7月末に決めた政策修正に反論した。一方、日銀内では銀行収益の圧迫など緩和の副作用への警戒も強い。物価が一向に上がらないなか、黒田東彦総裁のかじ取りは一段と難しくなる。

 日銀が金融政策の修正を決めてから1カ月。政策委員が講演や記者会見で自身の考えを主張する機会が増えてきた。修正は緩和強化と副作用配慮の双方が盛り込まれ、日銀の真意を読みかねる市場関係者が多かった。

 6日に講演と記者会見をした片岡委員は「物価上昇のモメンタム(勢い)は足元弱まっている」と主張。日銀が7月に決めた長期金利誘導の柔軟化には「金利をより低下させる追加緩和が必要だ」と反論した。当面低金利を続けるとした新たな約束も踏み込み不足とし、「物価目標に直接関係する指標とひも付けた約束が必要」と強調した。

 銀行収益などへの副作用について「特段問題が生じていない」と発言。金融政策の最大のリスクは「デフレを長期化させること」だとし、デフレ脱却に全力を傾ける姿勢を改めて示した。若田部昌澄副総裁や原田泰審議委員の意見と近い。

 だが、副作用への警戒には委員によって温度差がある。8月29日に記者会見した鈴木人司審議委員は緩和の副作用が膨らみつつあるとの見方を示し、「手遅れになるリスクがある」と警告した。程度に差はあるが黒田総裁ら過半の委員が副作用への警戒を強めている。

 それでも日銀は「副作用対応に一気に軸足を移すのは難しい」(幹部)。物価が一向に上がらず、先行きは海外経済や消費税増税などリスクが多いためだ。緩和推進派と副作用配慮派の主張は一段と先鋭化しつつも、物価がはっきり上がり始めるまで政策対応をとりづらい状況が続きそうだ。

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