2018年11月21日(水)

AI強化でウイルス検知 トレンドマイクロが対策ソフト発売

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ネット・IT
2018/9/6 17:24
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情報セキュリティー大手のトレンドマイクロは6日、ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」シリーズの最新版を発売したと発表した。ウイルスを検出する人工知能(AI)を強化し、駆除の精度を高めた。新シリーズ全体で1年間に延べ1800万人の利用者獲得を目指す。

ウイルス対策ソフトの新版を発表したトレンドマイクロの大三川彰彦副社長

新製品はウイルスを探し出すデータファイルに加えAIでも危険性を判断する。大三川彰彦副社長は今後の方向性として、「パソコンのソフトで集まったウイルスなどの情報を、インターネットにつながる家電の防御にも生かせるようにしたい」と話す。

トレンドマイクロは1988年の設立。パソコンを標的とするウイルスが誕生したのも80年代で、ソフトのバージョンアップの歴史は悪質化するウイルスとの戦いをそのまま反映している。

80年代はパソコンの基本ソフト(OS)に感染し、不正な動作を起こすトラブルが中心だった。トレンドマイクロは日本語版ウイルス対策ソフトを91年に発売した。

90年代前半にウイルスの活動が複雑になり始める。ワープロソフトなどの文書ファイルに潜み、ファイルを開くと感染するものが増えてきたのだ。ウイルスバスターも文書などのファイルを検査する機能を95年に強化した。

もっとも90年代前半まではウイルスの感染力はさほど強くなかった。フロッピーディスクなどの記憶媒体を介する必要があったためだ。利用者は不審なディスクを利用しないなどの対策でも被害を避けられた。

状況が大きく変わったのは90年代後半だ。インターネットが普及しメールの利用が一般化。メールでウイルスをばらまく攻撃が増加した。

防御側もインターネットを活用する。ウイルス検出用のデータファイルをインターネット経由で利用者のパソコンに配信し、新型のウイルスでも短期間で検出できる機能を備えた。

2000年代後半になると、攻撃の手口が進化したことで検出用ファイルだけでは守り切れなくなる。ウイルスの一部を改変した「亜種」を、不正なサイトから被害者のパソコンに次々にダウンロードさせる手口が猛威を振るう。検出用ファイルの更新が追いつかなくなった。

これに対しトレンドマイクロは、検出用ファイル以外の防御法を次々と取り入れてきた。07年に不正なサイトへの接続を遮断する機能を追加。10年に自社で運用するクラウドと連携させ、世界から集まる脅威の情報を生かしてウイルスを含む様々なサイバー攻撃に対処できるようにした。

最新版の機能強化もこうした流れを受け継いだ。識別精度に磨きをかけながらウイルスとの戦いは続く。

(島津忠承)

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