2018年9月18日(火)

ボルボ・カー、眠れる自動運転車で航空業界に挑戦状

自動車・機械
ヨーロッパ
2018/9/6 1:47
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 【イエーテボリ=深尾幸生】スウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カーは5日、横になって眠りながら移動できる完全自動運転のコンセプト車「360c」を発表した。移動時間に仕事をしたりくつろいだりできるような内装にしたほか、音と光でほかの車両や歩行者などに意図を伝える方法も開発し、安全性を高める。15年後ごろの実用化を目指し、短距離の飛行機移動の置き換えを狙う。

ボルボ・カーの完全自動運転車のコンセプト車「360c」(5日、スウェーデン・イエーテボリ)

ボルボ・カーの完全自動運転車のコンセプト車「360c」は眠りながら移動できる(5日、スウェーデン・イエーテボリ)

 本社のあるスウェーデン・イエーテボリのデザイン拠点で開いた発表会でホーカン・サミュエルソン社長は「これはただのビジョンではなくビジネスとして考えている」と強調した。

 360cはハンドルのない完全自動運転車で広い車内空間を持つ。目的地まで車中で仕事をしたり、眠ったり、映画を見たりして過ごせる。

 飛行時間が1時間以内の近距離路線なら、空港との移動や手荷物検査を含めると、まとまった時間をプライバシーが確保された自動運転車のほうが有意義だとアピールする。移動サービスを提供する企業や航空会社も将来の顧客になるとみている。

 クルマに身を任せるには安全性が不可欠として、内装と外装に新機能を盛り込んだ。内装では眠る際の毛布を「安全毛布」としてシートベルトの機能を持たせる。毛布には2つのベルトを埋め込み、通常時は緩く体を覆う。急ブレーキなどのときは自動でベルトをしめつけて乗員を守る。

 外装では、歩行者や自転車を検知したときに特徴のある音を出したり、加減速のときに車体を一周するようにつけた光のベルトが発光したりして、自車の挙動を知らせる。

 ボルボ・カーは外部へのこうした情報の伝え方を完全自動運転車の世界共通の方法とするよう標準化を目指す。サミュエルソン社長は「目や手の合図に代わる普遍的な手段が必要だ。ほかの自動車メーカーとも話をしたい」と述べた。自動運転車が歩行者などに行動を促すのではなく、行動を察知し自車の意図を伝えることが安全につながるとみている。

 ボルボ・カーは17年の世界販売が57万台の中堅メーカーだが、3点式シートベルトやサイドエアバッグを世界で初めて導入するなど安全性にこだわりを持つ。同社の戦略担当のメルテン・レーベンスタム上級副社長は「ライト兄弟が空を飛んだとき、いまのような将来を予想する人はいなかった。自動運転車は移動のしかたや都市計画、インフラを大きく変える」と述べた。

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