2019年8月25日(日)

インドネシア、輸入品に最大10%課税 貿易収支改善狙う
通貨ルピア、アジア危機後の最安値圏

2018/9/6 0:53
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【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア財務省は5日、消費財など1147品目の輸入に課す税金を最大で10%に上げると発表した。アルゼンチンやトルコと同じく、インドネシアは経常収支の赤字を抱えており、通貨ルピアは1990年代後半のアジア通貨危機後の最安値圏で推移している。ジョコ政権は輸入を制限することで経常赤字の主因となっている貿易赤字の改善を目指す。

商社など輸入業者が輸入時に前払いで支払う法人税を、これまでの原則2.5~7.5%から、最大10%に増税する。輸入ライセンスの有無などで同じ品目でも業者ごとに税率が異なることもあるが、事実上の輸入税に近い税金だ。財務省は「7日後から施行する」としており、早ければ11日にも実施される。

課税対象は「国内で生産可能な消費財」(スリ・ムルヤニ財務相)としていて、例えば、これまで2.5%の税率だったポロシャツやセラミック類、ケーブル類など多くの品目で7.5%に上げるほか、完成車の税率も7.5%から10%に上げる。1147品目の輸入額は輸入額全体の4%に相当する。

増税によって、経常赤字の原因となっている貿易収支を改善する狙いがある。インドネシアはアルゼンチンやトルコと同じく経常赤字を抱えていて、通貨ルピアが対ドルで下落傾向にある。物価高を招きかねない通貨安を阻止する狙いがある。

ルピア相場は1ドル=1万4950ルピアと、年初から約9%下落し、QUICKなどによると、アジア通貨危機直後の98年7月以来の安値圏で推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利上げでお金の流れが新興国から米国に向かっているためで、経常赤字を抱えるインドネシアは通貨の売り圧力にさらされやすい。

通貨安対策としては、軽油に国産のバイオ燃料を20%混合することを義務付けて石油製品の輸入を抑えることを決めたほか、完成車の輸入ライセンスを見直して輸入を制限することなども検討されている。

ただ、インドネシアが一方的に消費財などの事実上の輸入制限に踏み切れば、周辺国などから強い反発を招く恐れもある。以前からインドネシアの対米貿易黒字を問題視していた米国などが強硬姿勢をとることも考えられる。

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