2018年11月17日(土)

中国通信2、3位に合併観測再浮上、両社は否定

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2018/9/5 22:00
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【北京=多部田俊輔】中国通信2位の中国電信集団と同3位の中国聯合網絡通信集団の合併観測が再浮上している。両社の上場子会社の売上高を合計すると、6400億元(約10兆4600億円)と、最大手の中国移動通信集団の上場子会社、中国移動(チャイナモバイル)の売上高(7400億元)に迫る。中国移動の一人勝ちに対抗する狙いとみられるが、寡占に懸念を示す声も出ている。

両社の合併観測は米ブルームバーグ通信が報じた。上場子会社である中国電信(チャイナテレコム)と中国聯通(チャイナユニコム)はともに「報道の状況は了解しておらず、政府部門からいかなる通知も受けとっていない」とコメントした。

両社の合併観測は2015~16年にも浮上した。お互いの経営トップを入れ替え、通信網の共同整備などで提携したためだ。

今回は7月に発表された経営トップ人事が引き金になったもようだ。中国電信集団の総経理だった劉愛力氏が中国郵政集団の董事長に就き、中国郵政集団の総経理だった李国華氏が中国聯合網絡通信集団の総経理に横滑りしたことから、「玉突きではあるが、中国電信集団と中国聯合通信集団の距離が近づいた」と見る向きが多い。

中国の通信業界は08年に現在の国有3社の体制が確立したが、現在は携帯電話の普及加速でチャイナモバイルの一人勝ち状態だ。同社の契約者数は6月末で9億人を超え、チャイナテレコムの2億8千万人、チャイナユニコムの3億人を大きく上回る。

利益水準も桁違いだ。チャイナモバイルの17年12月期の純利益は1142億元で、チャイナテレコムの186億元、チャイナユニコムの18億元を引き離す。このためチャイナモバイルの独走を防ぐため、2、3位の合併が効果的だとの見方が出ていた。

次世代高速通信規格「5G」の投資負担が重いことも合併後押しの理由となっている。チャイナテレコムとチャイナユニコムを合併させて重複をなくし、投資負担を軽くするのが狙いとの指摘もある。

さらに3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、国有資産監督管理委員会の肖亜慶主任が「中央企業の戦略的な再編を推し進める」と発言したことも合併観測再浮上の背景となった。

中国の通信市場は政府の指導力が強く、市場機能は働きにくい。大手3社は近年、通信料金を引き下げたが、3社の競争ではなく、政府の指導を受けての経営判断だ。外資系調査会社のアナリストは「2社体制になれば、中国の通信市場の寡占がさらに進み、健全な競争からさらに遠くなるだろう」と指摘する。

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