常温OK サバの乾燥珍味 水産加工のマルカネなど開発

2018/9/5 21:00
保存
共有
印刷
その他

水産加工のマルカネ(青森県八戸市)は常温流通が可能なサバの乾燥珍味を真空技術のアルバック、岩手大学などと開発し、「黄金さばトバ」の商品名で6月に発売した。サバは脂質が多いため劣化しやすく、塩蔵してから乾燥させる一般的な鮭(さけ)トバの製造方法では製品化できなかった。

ソフトな食感で、うまみが凝縮しており、酒に合う味になっている

岩手大が地元水産品の価値向上へアルバックと研究していた真空乾燥技術を使い、2016年3月から、味付けの塩分量をどこまで少なくできるかなど試作を重ねた。真空装置のなかで低温乾燥するため、酸化が進みにくく水分も必要以上に少なくならず、しっとりとした食感に仕上がる。製造に要する期間は3日。鮭トバは通常1週間程度かかるという。

開発のきっかけはマルカネの秋山兼男代表社員が、八戸に来た観光客から缶詰やレトルト製品以外に常温で持ち帰れるサバのお土産はないかと聞かれたこと。マルカネはサバ加工が専門で、かねてサバトバの商品化ができないか模索していた。北海道の知り合いの鮭トバを製造している業者に試作を依頼したが、商品にならなかったという。

原材料のサバは青森産か国内産を使う。脂質が少ないサバのほうが製造に適しているので、小さいサバや脂の乗っていないサバなどを使える。

サバ加工専門のマルカネの主力商品はサバの棒ずし、しめさば、焼きサバなど。基本的に脂の乗ったサバを仕入れるが、多く仕入れるため、小さめのサバや脂の乗りが少ないサバも交じる。脂の乗りの少ないサバは主力商品には使いづらいが、サバトバには利用できるので、原価率の低下が期待できる。

「黄金さばトバ」は常温で約6カ月の保存が可能。市場調査で消費者の反応が良かったため本格製造を決めた。秋山代表社員は「鮭トバより塩分も少なく軟らかい。乾燥でうまみも凝縮した、今までにないお土産品になった」と商品の特徴を説明。販売も好調で「作ったものはすぐ売れていく」という。さらに商品を知ってもらおうと首都圏で出張販売しているが、試食したお客からは「こんなに軟らかいんだ」という反応があるという。

また秋山氏は「加工が難しいサバがここまでできれば他の水産物にも応用でき、果物など農産物にも使えるだろう。青森の1次産品の高付加価値化に挑戦していきたい」と真空乾燥技術を使ったサバ以外の商品化にも意欲を見せている。

共同開発したアルバック東北(八戸市)の新戸部圭介・生産本部本部長は「食品の有効利用やフードロスをなくしていくために研究してきた。食品業界の活性化に向けて、いろいろなところで活用できる」と話している。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]