「訪問したくない街」 名古屋再び首位、市調査
名古屋市が5日発表した2018年度の「都市ブランドイメージ調査」によると、名古屋市は前回調査に続いて全国8都市で「最も訪れたくない街」だった。前回調査より名古屋市民の地元への愛着や誇りは改善傾向にあるものの、「魅力に乏しい街」とのイメージを払拭するのには時間がかかりそうだ。

河村たかし市長は同日、記者団に「よっぽど必死に(対策を)考えないといけない」と語った。具体策としては「名古屋城の天守木造化だ。世界で一つしかないディスティネーション(目的地)をつくらないといけない」と自身の目玉施策の重要性を述べた。
調査は16年度に次いで2回目。調査対象は名古屋市のほか、札幌市、東京23区、横浜市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市に住む20~64歳の男女で、それぞれの都市に5年以上住む人。7月にネットリサーチを利用して実施し、都市ごとに418人が回答した。
全国8都市について買い物や遊びで訪問したいかを10点満点で採点し、その数値をもとに「訪問意向」を指数化したところ、最も人気が高い都市は札幌市(41.7)だった。前回調査でトップだった京都市は34.8と2位で、横浜市(28.7)がそれに続いた。
名古屋市は前回の1.4から2.7に指数を伸ばしたものの、他を大きく下回った形で引き続き最下位だった。名古屋市民が自分の街に魅力を感じていない状況は変わらなかった。「最も魅力に感じる都市」という質問で名古屋市を選んだ市民は17%にとどまった。
東京に住む人は東京を最も魅力的に感じるなど、他都市では地元が「最も魅力的」と答えるが、名古屋だけは唯一、他都市が魅力的だと答えた。具体的には東京23区(24.2%)、京都市(19.4%)、札幌市(18.4%)が人気だった。
一方で、名古屋への愛着や誇りを示す「シビックプライド」の分野は徐々に改善しているという。自分の街に対する考えを点数で聞き指数化したところ、名古屋市民の名古屋への愛着度は前回(49.0)に比べ55.5と上昇し、東京区部(52.2)や大阪市(52.9)を上回った。誇りについても前回(27.5)から32.5と改善した。
調査を実施したナゴヤ魅力向上室の田頭泰樹室長は「この調査を契機に市民に名古屋の街に興味を持ってもらい、このままではいけないと思うきっかけになってほしい」と狙いを語る。市は今後も地元のイメージの向上を進め、名古屋が自慢できるものを市民に知ってもらうように様々な施策を実施するという。