2019年7月17日(水)

一枚上手の相撲論(浅香山博之)

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大関とりの御嶽海、自覚胸にもっと稽古を

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2018/9/7 6:30
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大相撲秋場所は9日、東京・両国国技館で初日を迎える。注目の一人は先場所初優勝して大関とりに挑む関脇御嶽海だろう。大関を狙える実力は十分あるが、看板力士を目指すにあたって注文もつけておきたい。

先場所の御嶽海は攻める相撲を取って、立ち合いで押し込めていた。相撲に力強さがあったし、動きもよかった。これまでスタミナ切れで失速することもあった中盤戦以降も崩れることなく、「きょうも御嶽海が勝つんじゃないか」という雰囲気があった。それだけ自信を持って相撲を取っていたのではないか。3横綱1大関が休場する上位不在の場所だったとはいえ、優勝をつかみ取るのは大変なこと。優勝のプレッシャーがかかるなか、関脇で13勝の好成績を収めたのは大きいことだし、本人も大きな自信を得たと思う。今場所にもつながっていくはずだ。

名古屋場所で初優勝を果たし、八角理事長(右)から賜杯を受け取る関脇御嶽海=共同

名古屋場所で初優勝を果たし、八角理事長(右)から賜杯を受け取る関脇御嶽海=共同

対戦相手からすれば、御嶽海は本当に嫌なタイプの力士だ。立ち合いも鋭いし、なおかつ攻めが速い。守りに入った力士を攻めることはたやすいが、御嶽海は休むことなく次から次へと攻めて圧力をかけてくるから、対戦相手が攻め返すことは難しい。また前傾姿勢を保っているから、体を起こそうと思ってもなかなか起こせない。相手はあれよあれよといううちに、気がつけば土俵際ということもあるだろう。当然、追い込まれれば焦って相撲も雑になってくる。

センスの塊、身体能力も高く

御嶽海は理にかなった動きをするし、立ち合いで当たってからの体の使い方や攻め方、前さばきや小技もうまい。前に出る相撲を心がけているから、足も自然と前に出ていく。「相撲センスの塊」といっていいだろう。体の反応を見てもわかるように、おまけに身体能力も高い。稽古でそう簡単に身につかない、生まれ持った素質を兼ね備えている。

5月の夏場所は小結で9勝、7月の名古屋場所は関脇で13勝。秋場所で11勝すれば、大関昇進の目安「三役直近3場所計33勝」に届く計算だ。今場所は先場所の休場から戻ってくるとみられる横綱・大関の上位陣相手に、どれだけ自分の相撲が通用するかがカギになるだろう。ただ、今の上位陣に対して負けないくらいの力を持っている。プレッシャーもあるだろうが、動じるタイプではないし、精神力も強いようにみえる。先場所の相撲をみれば、11番どころか12、13番くらい勝っても不思議ではない。大関とりのチャンスは十分ある。秋場所は角界の世代交代の第一歩となるかもしれない。

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