2018年9月22日(土)

ジーユー、原宿に試着のみ店 小型店でトレンド発信

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2018/9/5 13:08 (2018/9/5 13:58更新)
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 カジュアル衣料品店「GU(ジーユー)」は5日、東京・原宿に11月出店すると発表した。トレンド要素を取り入れた洋服を並べ試着してもらう半面、購入は専用アプリに限定。数日後に自宅や選んだ店舗に届ける仕組みだ。強みとする低価格やデザイン性は他社との競争が激しくなっている。ファッションのメッカ、原宿を起点に新たなブランド価値を提案する。

店舗では試着のみ、購入はアプリから受け付ける(店舗外観イメージ)

 新店舗「GU STYLE STUDIO」は原宿駅近くの大通り沿いに出す。店舗面積は約600平方メートルと、一般的なGU店の半分ほど。小型店の位置付けだが原宿に出店するのは初めてとなる。現在、全国で374店舗(8月末時点)展開しているが、新店舗では新たな買い方を提案する。

 特徴は購入した来店者が手ぶらで帰れる点だ。店内には男女向けのシャツやパンツ、アウターが幅広く陳列され、消費者は手にとって試着もできる。ただ、それはあくまでもサンプル品。欲しい商品はダウンロードしたアプリで購入する。数日後に自宅か最寄りの店舗で受け取る形だ。

 顧客にとっては新たな購買体験ができるほか利便性向上につながると期待される。GUにとっても利点は多い。無駄な在庫を持つ必要はなく店舗効率が高まる。若者を中心にネット購入が広がるなか、店舗とネットの強みを生かした試みにもなるためだ。

 若者や外国人が集まる街、原宿を起点に新たなブランド価値を生み出す狙いもある。GUはユニクロの兄弟ブランドとして、ガウチョパンツなどヒット商品を出してきた。トレンドを意識した洋服に強みを持つが、最近はヒット商品が少なく、ユニクロに似た洋服も少なくない。GUの柚木治社長は「価格がユニクロと明らかに違うのがGUの生命線」と指摘する。

 ただ、調査会社モニタス(東京・港)が2月中旬に実施した消費者の意識調査では、価格でのお得感はしまむらに軍配が上がり、おしゃれや格好良さの項目ではスペインの「ZARA」の後じんを拝した。強みとうたってきたトレンド重視の路線が実際には中途半端になっていることが浮き彫りとなった。

 GUはこれまで店舗がなく、「最優先で出したい街の一つ」(柚木社長)だった原宿に出し、新たなブランドの個性を示す考え。若者の間では交流サイト(SNS)を使った情報の広まりは早く、成功すれば再成長の一手になる可能性を秘める。

 アパレル業界ではネットとリアルをつなぐ次世代店が出始めている。ZARAは8月末までネット販売に特化した期間限定店を六本木に出した。ただ、同店は想定していたほど利用者をつかめていなかったとの見方もある。国内では、買い物したらすぐに商品を持ち帰りたい消費者が根強くいるためだ。出店場所の影響もあって60代以上の女性の来店もみられ、消費者に店舗の意図が伝わりきっていなかった可能性もある。

 もっとも、ZARAにとってはネット販売強化は世界で取り組む最重要戦略。期間限定店で得た経験を次に生かし、若者向けブランド「ベルシュカ」などに還元していく計画だ。

 ファッションのネット通販でははなから実店舗を構えずにネット限定で販売する「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」に取り組むスタートアップが登場した。試着のみの店が日本人の購買動向になじむか、不透明な点は拭えないが、衣料品のネット通販サイト「ゾゾタウン」や米アマゾン・ドット・コムなどネット通販大手との差を実店舗でつけたい考えだ。

(原欣宏)

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