2018年9月24日(月)

米加州、2045年までに電力を100%クリーン化

科学&新技術
BP速報
2018/9/5 23:00
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日経クロステック

 米国カリフォルニア州議会の下院は2018年8月29日、2045年までに州内の電力の100%を温室効果ガスが排出しないエネルギーで賄うとする法案「SB100」を可決した。

 同法案はカリフォルニア州議会のケビン・デ・レオン上院議員が17年5月に起草したもので、当初はエネルギー業界などの反対により成立しなかったが、約1年半を経て同州の上下両院で可決され成立する見通しとなった。

 同州のジェリー・ブラウン知事は、再生可能エネルギーの導入に積極的な姿勢を示しており、同知事が署名すれば州法として成立、施行される。

 SB100ではこれまでに同州で策定されていた再エネ利用比率基準(RPS)を踏襲しつつ、さらにクリーンエネルギーの導入比率を高めていくことが策定されている。

 具体的には、電力の再エネ比率を26年までに50%に、30年までに60%まで引き上げ、最終的に45年までに温室効果ガスを排出しないエネルギーで電力をすべて賄うとする。

 同法案は再エネ関連の規制として、米国内ではハワイ州やバーモント州に次いで高い目標を示すものとなる。ハワイ州は45年までに100%の電力を、バーモント州は32年までに75%を再エネで賄うとする州法をそれぞれ可決している。

 なお、「再エネ100%」ではなく「温室効果ガスを排出しないエネルギーで100%」としているのは、原子力発電や二酸化炭素回収貯留(CCS)といった再エネ以外の他の技術でも目標を達成する余地を考慮したためという。

 ただ、現在同州で唯一、稼働中の「ディアブロ・キャニオン原子力発電所」は、25年に廃炉となることが既に決まっている。CCSのコストも一朝一夕には大幅な下落が見込めないため、安全性やコストなどを考慮すると実質的にSB100は太陽光や風力などの再エネで100%を達成することになる公算が大きいと考えられる。

 党派を超えて同法案を支持する声も寄せられている。

SB100法案への支持を表明するアーノルド・シュワルツェネッガー前カリフォルニア州知事(出所:California State Archive/Peter Grigsby)

SB100法案への支持を表明するアーノルド・シュワルツェネッガー前カリフォルニア州知事(出所:California State Archive/Peter Grigsby)

 同州の前知事で映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏は、民主党所属のレオン上院議員やブラウン知事とは異なり共和党員だが、「ワシントン(トランプ政権)は過去に固執するが、カリフォルニア州は未来の経済を創る」とトランプ政権を批判しつつSB100を支持する声明をネット上で公開している。

 同氏は州知事として06年9月、温室効果ガス排出量の低減や排出量取引市場の創設を規定した法案「AB32」に署名、州法として成立させた実績があり、環境問題への対応に積極的なことで知られている。

 また、米国太陽光エネルギー産業協会(SEIA)や米国風力エネルギー協会(AWEA)といった再エネ関連の業界団体は、SB100の通過に対して、いずれも歓迎の意向を表明している。

 両協会はさらに、AB813(カリフォルニア州と周辺の州で電力市場を統合する法案)やAB893(電力事業者が再エネの調達を加速することを義務付ける法案)といった関連法案も早期に成立させるよう要請している。

(日経BP総研 クリーンテックラボ 大場淳一)

[日経 xTECH 2018年9月4日掲載]

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