2019年6月27日(木)

台風21号、インフラに打撃 企業は復旧急ぐ

2018/9/5 10:46
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関西地方を中心に猛威を振るった台風21号は、交通や電力などインフラに大きな被害を及ぼし、企業活動などへの影響が5日も続いた。関西国際空港は復旧のめどが立たず、空の便は引き続き混乱。ヒトやモノの移動が滞り、物流や観光などへの影響は避けられず、関西経済への打撃は必至。政府や企業は復旧に全力を挙げる。

冠水などによる大きな被害を受けた関空は、5日も閉鎖が続いた。発着する約500便は全て欠航。午前6時すぎから、空港で孤立した利用客約3千人の高速船やバスによるピストン輸送を開始した。閉鎖は6日も続く見通し。タンカーが衝突した連絡橋などは復旧見通しが立たず、閉鎖が長期にわたる恐れもある。

安倍晋三首相は5日午前、首相官邸で国土交通省の森昌文次官と会い、早期の復旧を指示した。自身のツイッターで「各省庁が一体となって災害応急対応、インフラ復旧に全力をあげる」と表明した。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、関空の早期再開に向け、国土交通省や海上保安庁、警察庁の担当者が参加する対策チームを設けたと明らかにした。

2017年度の関空の総旅客数は2880万人で、うち52%が国際線を利用するインバウンド(訪日外国人)。大阪市のリーガロイヤルホテルは訪日外国人の団体客が5日に宿泊予約していた約20室がキャンセルとなった。ホテルニューオータニ大阪は訪日客を中心に「延泊の問い合わせが相次ぎ寄せられている」という。

JTBは5日の関空発のツアー中止を決定。今後は関空の復旧状況を見極めながら判断する。近畿日本ツーリスト関西も同様に、5日午前の関空発のツアーを中止した。

関空の17年度の貨物取扱量は85万トンを超え、国際貨物が95%以上を占めるが、国内外の物流に影響が出ている。村田製作所は福井県の工場などで生産する主要な電子部品を関空から出荷していたが、別の空港から代替出荷する検討を始めた。

ロームは半導体や電子部品について半製品を日本で生産し輸出、アジアで後工程を手掛けるサプライチェーン(供給網)を取り入れている。輸出には関空利用が多く、代替輸送を検討中だ。

全日本空輸が所有する関西空港付近の倉庫では、浸水などの被害が発生した。国内外から食品や衣料のほか、半導体関連の部品の取り扱いがあり「今後詳しい確認作業にあたる」(広報)。

復旧が遅れている企業もある。日立造船は周辺の交通機関が運行していないため築港工場(大阪市)の操業を休止する。生産設備などに被害はない。本社や堺工場(堺市)は通常通り業務を再開する。

日本ペイントホールディングス(HD)は大阪工場(大阪市)の一部ラインが通電不良で停止しており、復旧作業を進めている。山崎製パンは、クリームやコロッケなどパンの原料を製造している大阪府泉佐野市の工場が停電の影響で操業が止まっている。原料工場は2つあり、群馬県伊勢崎市の工場で製造して補う。

NTTドコモKDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社は5日も近畿・四国など一部地域で携帯電話が利用しづらい状況が続いている。基地局と各社の基幹網をつなぐ通信経路が故障したり、基地局を動かすための電源が停電で止まったりしており、3社は復旧作業を急いでいる。

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