2019年3月22日(金)

米株、強まるハイテク依存 アマゾン時価総額1兆ドル

2018/9/5 7:24
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【ニューヨーク=宮本岳則】米国株相場がハイテク株への依存度を強めている。米アマゾン・ドット・コムの時価総額は4日、初めて1兆ドル(約110兆円)に到達した。米国株は史上最高値圏で推移するが、年初来の上昇分のうち、約半分はアマゾンを含む主要ハイテク6社による押し上げ効果だ。貿易戦争や新興国不安など世界経済の先行きに不透明感が高まるなか、成長が見込める少数の銘柄に資金が集中している。

アマゾン株の年初来上昇率は7割に達する=AP

4日の米株市場ではアマゾン株が逆行高を見せた。投資家は米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や、米国による対中国への関税第3弾発動の有無を見極めようと様子見姿勢を強め、ダウ工業株30種平均の終値は前週末比12ドル34セント(0.04%)安の2万5952ドル48セントとなった。一方、アマゾンは朝方から買い優勢で、午前中に米企業では2例目となる時価総額1兆ドルに到達。終値で年初来上昇率は7割に達する。

アップル、アマゾンに続く「1兆ドルクラブ」入り候補として、検索大手グーグルを傘下に持つ米アルファベットや基本ソフト(OS)大手の米マイクロソフトの名前が挙がる。両社の現在の時価総額は8500億ドル(約93兆円)前後。アルファベットは今年に入って約1100億ドル(約12兆円)増え、マイクロソフトも1970億ドル(約21兆円)増やした。

米株相場を史上最高値圏に押し上げたのは、ハイテク株によるところが大きい。指数を算出する米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズによるとS&P500種株価指数の年初来上昇率(9.9%、8月末時点で配当再投資ベース)のうち、アップルとアマゾン、アルファベット、マイクロソフト、ネットフリックス、エヌビディアの6社で49%を占める。うちアマゾンの寄与度は15%と最も大きい。

市場参加者はマネーの一極集中に警戒し始めている。貿易戦争や新興国不安を受け、海外で広く事業を展開する自動車株や資本財株は買われにくい。好調な米個人消費の恩恵を受ける米アマゾンは「安心して買える銘柄」として逃避マネーが集まり、今期予想PER(株価収益率)は100倍を超える。テクニカル指標をみても「短期的に買われすぎだ」(米金融サービス会社ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との指摘はある。

ハイテク株の株価反転リスクは「規制」だ。フェイスブックは個人情報流用問題を機に政治からの圧力が強まり、対策に追われる。7月の決算説明会で利益率が低下する見通しを公表し、時価総額が1日で13兆円減少する場面があった。

米運用会社フォートピット・キャピタル・グループのキム・フォレスト氏は「米国の小売りは多くの雇用を抱える。アマゾンの成長は規制にさらされるかどうかによる」と指摘する。潜在的な規制リスクはアマゾン株のみならず、ハイテク株への依存度を強めてきた米国株相場にとっても他人事ではない。

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