2018年9月19日(水)

網膜剥離の視細胞破壊、群馬大がメカニズム解明

北関東・信越
科学&新技術
2018/9/4 21:30
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 群馬大学大学院医学系研究科の柴崎貢志准教授の研究グループは網膜剥離の際に視細胞が破壊されるメカニズムを世界で初めて解明した。今後は大型動物を使った実験や臨床試験を進め、網膜剥離の悪化を食い止め、失明を防ぐ治療法や新薬の開発につなげる。

研究成果を発表する群馬大大学院医学系研究科の柴崎貢志准教授(群馬県庁)

 マウスを使った実験で、網膜剥離が起こった網膜内では、栄養の運搬や老廃物の排出にかかわる「ミュラーグリア細胞」が通常の3倍程度に膨れることに注目した。

 ミュラーグリア細胞には体温や細胞の伸び具合を感知するセンサーの働きをするタンパク質があるが、膨張によりセンサーが異常に活性化し、細胞内への大量のカルシウムイオンの流入を促す。このカルシウムが炎症性物質の放出を引き起こし、視覚情報処理に必須である視細胞を次々と殺してしまう。

 一方、センサーの働きを人為的に欠損させたマウスでは、網膜剥離の際にも視細胞死がほとんど起こらない。正常なマウスでも、センサーの阻害薬を投与すれば、視細胞死を防ぐことができることを突き止めた。

 網膜剥離は強度の近視や糖尿病が原因となって日本国内では年間に1万人に1人の割合で発生する。病態が進行すると失明するが、これまで有効な治療薬が存在しなかった。研究結果は米学術誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」電子版に掲載された。

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