2019年5月24日(金)

日経平均2万3000円の壁 分厚い累積売買代金 金融機関が決算対策売り

2018/9/4 20:00
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日経平均株価で2万3000円の水準が日本株相場の壁になっている。価格帯別の東証1部売買代金は2万2500~2万3000円が多く、この水準では利益確定売りや戻り売りが出やすいからだ。上半期の運用成績を確定させたい金融機関の売りも2万3000円の壁を厚くしている。だが決算対策売りが一巡する10月以降は需給面の重しが軽くなり、相場は上値を試す可能性がある。

日経平均は前週の取引時間中に2万3000円を超えたが、すぐに押し戻された。4日も小幅な値動きに終始する方向感の乏しい展開で、終値は10日ぶりに2万2700円を下回った。日経平均が2万3000円を定着する前にはね返されるのは今年に入り4回目だ。

背景にあるのが、強まる売り圧力だ。18年の東証1部の売買代金を日経平均の終値の価格帯別に集計すると、総売買代金の52%に相当する225兆円が2万2000円台に集中する。

中でも2万2500~2万3000円の累積売買代金は121兆円と最多だ。「現在のようなボックス相場が長く続くと、特段の理由がなくても株価が少しでも上がればいったん売却して利益を確定する投資家が増えてくる」(東海東京証券の太井正人氏)という。

ここにきて目立つのが上半期(4~9月)の決算期末を控える金融機関の決算対策売りだ。

銀行など国内金融機関は上半期の運用収益を確定するため、9月初旬頃から含み損益を実現させる傾向がある。東日本地区の地銀の運用担当者は「今年度は金利が乱高下し債券運用の利益が伸び悩んだ。株の売却益で運用収益を補いたい気持ちは強い」と明かす。

銀行の日本株運用は日経平均など指数連動型ETF(上場投資信託)を通じた取引が大半だ。日経平均が2万3000円を超えないとみて、9月末を前に保有するETFの売りに動いている。

大手金融機関による政策保有株の削減の流れも重荷だ。ある国内証券の株式担当者からは4日に4カ月半ぶりの安値をつけたJR東日本が金融機関の売却対象の一つとの指摘が出ていた。長年保有してきた銘柄は含み益が膨らんでおり、売りの対象になりやすい。持ち合い株には大型株が多く、相場全体に与えるインパクトも大きい。

不動産投資信託(REIT)市場でも金融機関からの売りが膨らんでいる。4日はGLP投資法人が3%安となり年初来安値を更新。この日の売買代金は約180億円と今年最大だった。三井不動産ロジスティクスパーク投資法人も4日に年初来安値をつけた。

相場全体の商いは薄く、2万3000円近辺で膨らむ売り注文をこなしながら壁を上に突き破るエネルギーに欠ける。東証1部の8月の1日あたり売買高は平均12億9000万株。月間ベースで2004年11月以来14年ぶりの少なさだった。売買代金も4日は1.8兆円と、活況の目安とされる2兆円を下回った。

一方、「海外勢から資金が流入し始めれば急ピッチで相場が戻る可能性もあり、完全に株から手を引くこともできない」(三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之氏)として売りを急ぐ投資家は少ない。金融機関の決算対策売りが一巡すれば、相場は需給面で上振れしやすい局面に入りそうだ。

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