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医学部合格率、男子優位6~7割 文科省の全国調査

文部科学省は4日、東京医科大の入試不正を受けて全国の医学部を対象にした調査で、過去6年間でいずれの年度も、男子の合格率が女子を上回っていたとする結果を公表した。各年度で男子優位だった大学の割合はそれぞれ6~7割。同省は「他の学部と合格率に違う傾向がある」として、大学側に詳しい説明を求める。

医学部医学科を置く、防衛医科大を除く全国の81国公私立大に2013~18年度の入試について聞いた。公表したのは一般、AOなど全ての入試を合わせた結果。性別による加点といった不正を認めた大学はなかった。

全大学の合格率はいずれの年度も男子が高い。女子しか学生がいない東京女子医大を除いて算出すると、男子が上回った大学の割合は58~72%で推移。同省は男子優位の原因は数字だけでは分析できないとしたうえで「他の学部学科で男女の合格率が同等か女子が多少優位な傾向にあるなか、医学部は違う傾向だ」とした。

6年間の合格率で男子が女子の何倍かを見ると、1.67倍の順天堂大が最大。1.54倍の昭和大などが続いた。全大学では女子が9.6%で、男子は1.18倍の11.3%だった。全大学のおよそ4分の1に当たる19大学は、6年間全てで男子が優位だった。

女子への不利な得点操作が判明した東京医科大は、0.93~3.11倍で推移。年によって2倍以上の差があったのは他に日本大と大阪市立大。

男女差について各大学は「厳正に学力試験をした結果」「数学や物理の試験問題が難しいため女子の合格率が高くない」などと回答した。

一方、女子優位の傾向にある大学もあった。弘前大と三重大は6年とも女子優位だった。年齢別の合格率は20歳以降に男女ともに下がる傾向にあった。

同省は合格率の差やその継続性などをもとに、必要に応じて各大学に聞き取りや訪問による調査をする。最終結果は10月をめどに公表する。

医学部専門予備校「メディカルラボ」(本部・名古屋市)によると、複数の大学では2次試験の面接で女子に「子供を産んだ後も医師を続けるか」「熱を出した自分の子供のお迎えと外来の急患のどちらを優先するか」といった質問をする場合があるという。可児良友本部教務統括は男子優位の背景に「医師不足を解決するために、男子学生を入学させようと考える面接官がいる可能性がある」としている。

一方、防衛省によると、防衛医科大の男子合格率は5.28%、女子は3.60%で、1.47倍の差があった。「得点調整などはない」としている。

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