2018年11月19日(月)

ファーウェイ、モバイルAI強化した新プロセッサー

AI
モバイル・5G
BP速報
2018/9/4 20:00
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日経クロステック

ドイツ・ベルリンで開催中の欧州最大の家電見本市「IFA 2018」で8月31日(現地時間)、中国の華為技術(ファーウェイ)が基調講演を行った。「モバイルAI(人工知能)の究極のパワー」をテーマに、最新SoC(システムオンチップ)「Kirin 980」やデバイスの新製品を発表した。

基調講演では、昨今の米国やオーストラリア政府からの締め出しについては直接言及しなかった。ただし、世界的に権威のあるアワードを受賞していることや、欧州各国のメディアから高い評価を受けていることを挙げ、一定の支持を得られていることを強調した。

■世界初の7nmプロセスSoC

ファーウェイコンシューマー事業部門CEOのリチャード・ユー氏(写真:山口健太)

ファーウェイコンシューマー事業部門CEOのリチャード・ユー氏(写真:山口健太)

基調講演には、コンシューマー事業部門最高経営責任者(CEO)であるリチャード・ユー氏が登壇。「17年のIFAでKirin 970を発表後、さまざまなオンデバイスのAIサービスをリリースしてきた。ファーウェイはモバイル業界でAIを牽引している」と自信を見せた。

新たなSoCとして「Kirin 980」を発表。台湾積体電路製造(TSMC)との協業による、世界初の7nm(ナノメートル、ナノは10億分の1)プロセス(回路線幅)技術を採用した。前モデルのKirin 970から採用しているAI専用「NPU(ニューラルネットワーク・プロセッシング・ユニット)」は2基搭載する「デュアルNPU」構成になった。Mali-G76のGPU、4G LTEモデムが高速になり、LPDDR4Xメモリーもサポートする。

ファーウェイはKirin 980の性能と電力効率についてベンチマークのテスト結果を示した。それによると、Kirin 970に比べて性能は75%、電力効率は58%向上。Snapdragon 845に対しても性能は37%、電力効率は32%高いとした。

8コアCPUの内訳は、Cortex-A76ベースの2基のビッグコアと2基のミドルコア、Cortex-A55ベースの4基のリトルコアから成る。音楽再生はリトルコア、SNSアプリはミドルコアも利用。高負荷のゲーミングは全てのコアを使うなど、一般的な「big.LITTLE」構成よりも効率的な使い分けが可能になる。

5Gモデムとの組み合わせにも対応(写真:山口健太)

5Gモデムとの組み合わせにも対応(写真:山口健太)

デュアルNPUの効果として、ファーウェイ自身による500枚の写真認識テストでは、Kirin 980が6秒で終わったのに対し、Snapdragon 845は2倍の12秒、A11は4倍以上の25秒かかることを示した。

コネクティビティは世界初のLTE Cat.21対応モデムにより、最大1.4Gbpsの速度を実現。高速移動中や電波が弱い環境でのストリーミングやゲームプレーを強化した。

次世代の高速通信規格「5G」については、Kirin 980にファーウェイ製の5Gモデム「Balong 5000」を組み合わせることで対応できるとした。

■Mate 20シリーズを10月16日に発表

Mate 20シリーズの新モデルを10月16日に発表(写真:山口健太)

Mate 20シリーズの新モデルを10月16日に発表(写真:山口健太)

Kirin 980を搭載した最初のスマートフォンは、フラグシップモデル「Mate 20」シリーズを18年10月16日に、英ロンドンで発表することを明らかにした。

現行モデルのP20シリーズには、新色として「モルフォオーロラ」と「パールホワイト」を追加。価格は据え置いた。P20 Proには8GBメモリーと256GBストレージの本革モデルを追加し、999ユーロで発売する。

17年に発売したMate 10シリーズは1000万台以上、P20シリーズは発表から5カ月間で同じく1000万台以上を出荷したという。カメラ性能は「TIPAアワード2018」でBest Photo Smartphone、欧州の「EISAアワード 2018-2019」でBest Smartphoneを受賞。欧州各国のメディアから高く評価されていることを強調した。

(ライター 山口健太)

[日経 xTECH 2018年9月3日掲載]

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