江崎玲於奈賞 東大の平川教授が受賞 「未知の分野を開拓」
茨城県科学技術振興財団(江崎玲於奈理事長)は3日、「第15回江崎玲於奈賞」の受賞者を発表した。ナノテクノロジー(超微細技術)分野などで優れた業績を挙げた研究者に贈るもので、東京大学生産技術研究所の平川一彦教授(58)が受賞した。

対象テーマは「テラヘルツ技術の開拓によるナノ構造の電子物性解明の先導的研究」。平川教授は電磁波の一種で周波数が電波よりも高く、光よりも低い「テラヘルツ波」を駆使し、半導体の中の電子の周期的な動きを実験でとらえたことなどが評価された。
同日、ノーベル賞受賞者を含む審査委員が集まり、受賞者を決めた。茨城県つくば市で記者会見した江崎理事長は、「最近、電磁波の活用が多く、テラヘルツの分野まで使っている。平川教授は新しい、未知の分野を開拓した」と評価した。
同賞はノーベル物理学賞受賞者の江崎氏にちなみ、科学技術振興などを目的に2003年に創設した。平川教授には賞状と副賞1000万円を贈る。11月につくば国際会議場(つくば市)で授賞式と記念講演会を開く。
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